
中国国家知識産権局はこのほど、2025年度の「商標行政保護典型事例」を公表した。商標行政事件の処理品質と効率を継続的に高め、知的財産保護の法的基盤を強化する狙いで、同局が毎年実施している選定の一環である。
今年度の事例は厳格な選考に加え、ネット投票と専門家審査を経て決定された。対象は人工知能(AI)、アパレル、玩具、農業など幅広い分野に及び、社会的関心、業界への影響力、模範性を兼ね備えている。
今回の典型事例には生成AI分野で注目を集める「DeepSeek」などの名称の悪意ある先取り出願を厳しく取り締まった一連の事案が含まれる。さらに、ルイ・ヴィトン(LV)、シャネル(CHANEL)、ルルレモン(Lululemon)などの有名ブランドを対象とした模倣品の製造・販売をめぐり、地域をまたいで製造から販売に至る一連の過程を対象に摘発した事案も取り上げられた。
このほか、他社製品をあたかも自社製品であるかのように装う「逆方向模倣」や、登録商標を装った事例も対象となった。加えて、検察機関が不起訴とした後に市場監督部門が行政処分を科す「行刑連携」事例も取り上げられており、「刑事責任が問われなくとも行政処罰は免れない」という運用が示されている。
国家知識産権局は、こうした典型事例の公表を通じて、複雑化する商標侵害への対応力を高め、抑止効果の向上を図る方針である。
出所:中国知識産権資訊網