11月6日、深セン知的財産法廷と国家知識産権局(CNIPA)専利局審判部は、特許権侵害裁判と係争中の特許の有効性を判断する無効審判の合同審理を行った。この取り組みは、特許紛争解決の効率化を目指すものであり、今後の協力体制の常態化に向けた重要な一歩となる。
従来、特許権侵害訴訟では、被告が特許無効の抗弁を提出することが多かったが、司法と行政が別々に手続きを行うため、情報共有に壁があり、これが課題となっていた。これを解消するため、深セン知的財産権法廷は知的財産権侵害に関する民事裁判と、それに関連する行政手続きを合同で審理するモデルを模索してきた。同法廷はCNIPA審判部および深セン知的財産権保護センターと協力し、合同審理の実施に取り組んできた。
今回審理されたのは、「点対点接続を構築するシステムおよびその方法」に関する特許で、特許権者は台湾企業とその深センにある全額出資子会社である。今年6月、特許権者は家庭用カメラ製品に関して特許侵害を主張し、ある深セン企業を提訴した。一方、被告企業は国家知識産権局に特許の無効を請求し、紛争が並行して進行していた。
深セン知的財産権法廷の葉艶裁判官は、「本件は双方の重要な事業に関わるため、迅速な解決が求められている」と述べた。また、争点となった特許の安定性が家庭用監視装置分野の技術革新や市場に与える影響が大きかったため、合同審理が採用されたという。この方法により、訴訟の効率と質が向上し、企業の負担が軽減されることを狙っている。
深セン知的財産権法廷は今後も合同審理を推進し、紛争の迅速な解決を目指すとともに、企業が安定的に経済活動を続けられる環境づくりを支援していく方針である。
出所:中国保護知識産権網