くじは商標同日出願審査プロセスの第三段階です。各出願人が協議を拒否した、または協議が不成立であった場合、くじの段階へ進み、くじの方式によって1人の出願人を確定します。
2020年7月までは、同日出願に係るくじは現場で行われ、全国各地の出願人は事前に必要な書類を準備し、商標局に集まって現場でのくじに参加する必要がありました。現在、くじはオンラインで行われ、企業の時間と経済的コストを削減する効果があります。オンラインでのくじは公証人の監督の下で行われ、全過程が録画され、くじの公平性と公正性を確保しています。筆者は最近くじに参加した経験があるので、くじのプロセスや注意事項などを共有したいと思います。
1、くじのプロセス
(1)くじ実施通知書を受け取った後、通知書に記載された指定時間内に登録アカウントを作成し、必要な書類をアップロードする必要があります。公証人はアップロードされた書類に基づいて商標出願人の参加資格を審査します。審査が通らない場合は、すぐに公証人と連絡を取り、要求に従って書類を修正して再度アップロードする必要があります。
(2)くじに参加する者は指定時間内にアカウントにログインしてサインインしなければなりません。サインイン時に、参加者は顔認識を行い、関連する告知書にサインする必要があります。身元確認が通過した後、オンライン待機エリアに入ってくじを待ちます。期限までにサインインを行わなかった場合は、くじを放棄したものとみなされます。
(3)くじが開始されると、定められた時間(150秒)内にくじの操作を完了しなければなりません。定められた時間内に完了しなかった場合は、くじを放棄したものとみなされます。
(4)くじが終了した後、出願人は30日後にくじの結果と「公証書」をダウンロードすることができます。
注意すべき点として、登録アカウントを作成する際に、くじに参加する者の身分証明書をアップロードする必要があり、くじ当日には顔認証が必要となるため、くじに参加する者を変更することはできません。また、複数のくじを同時に行う必要がある場合、例えば、多区分出願が複数の区分で同日出願に遭遇した場合、サインインの時には、くじの回数に応じた告知書にサインする必要があります。サインインは一般的にくじ開始の1時間前に行われ、1つの告知書にサインするのに平均3分かかります。くじの回数が多い場合は、サインインが可能になった時からすぐにサインインを開始しなければ、間に合わなくなる恐れがあります。
2、くじの方法
(1)同一または類似する商標は同じグループでくじが行われ、同じグループ内での同一出願人には1回のくじ機会しかありません。
(2)各参加者には3セットの数字カードが割り当てられ、各セットには数字0から9までの10枚の数字カードが含まれています。くじが開始されると、参加者は定められた時間(150秒)内に各セットのカードからランダムに1枚を選び、選択が完了したら確認ボタンをクリックします。全ての3セットのカードを選択し終えたら、3桁の数字が生成され、それが今回のくじの数字コードとなります。同一グループのくじが終了した後、参加者の数字コードと当たる者が発表されます。数字コードが大きい者が当たる者となり、数字コードが同じ場合は再度くじが行われます。
(3)定められた時間内に数字カードの選択と確認ボタンのクリックが完了しなかった場合、くじを放棄したものとみなされます。
(4)1方がくじに参加し、もう1方が参加しなかった場合、参加した方が自動的に当たるとなります。定められた時間内にくじを完了しなかった場合、くじを完了した方が自動的に当たるとなります。
くじの目的は、商標を出願する権利を確定することであり、商標権を確定することではありません。くじで当たった場合、商標を出願する権利を取得することができますが、その商標出願はまだ実体審査を受けなければならず、商標法に違反する場合は拒絶されることになります。くじで当たらなかった場合、同一または類似の商品または役務における商標出願は拒絶される一方で、その他の非類似の商品または役務における登録出願は通常の審査が行われます。くじに参加しなかった出願人の商標についても、同様の原則が適用されます。
同日出願の審査プロセスについては、以下の記事をご覧ください。
https://jp.kangxin.com/html/3/263/264/265/11425.html