
第一章 知的財産権
第一節 一般義務
米国は知的財産権保護の重要性を認識している。中国は、主要な知的財産権消費者から主要な知的財産権生産者に変わることに伴って、全面的な知的財産権保護および法律執行体系を構築・実施することの重要性を認識している。中国は、知的財産権保護および法律執行が革新型国家の建設、革新型企業の発展、高品質の経済成長の促進のような利益に適合している見方を持っている。
第1.1条
中米両国は、AないしK節における知的財産権に関する規定を遵守することを声明する。
第1.2条
双方は、知的財産権を公平、十分、かつ有効的に保護して、施行することを確保すべきである。一方は、知的財産権保護に基づくもう一方が公平、公正的に市場参入できることを確保すべきである。
第二節 営業秘密および機密商業情報
米国は営業秘密保護を強調する。中国は、営業秘密保護を商業環境最適化の核心要素とみなす。双方は、営業秘密および機密商業情報の有効保護を確保し、このような情報の盗用を有効的に防止することに同意した。
第1.3条 営業秘密盗用に対して責任を負う行為者の範囲
一、双方は、すべての自然人または法人が営業秘密盗用に対して責任を負うことを確保すべきである。
二、中国は、営業秘密盗用において、「経営者」がすべての自然人、ひとつのグループの人、法人を含んでいると定義する。
三、米国は、現在の米国の措置により提供している待遇が本条規定の待遇と同一であることを声明する。
第1.4条 営業秘密行為盗用を構成する禁止範囲
一、双方は、営業秘密盗用に対して責任を負う禁止行為の範囲が営業秘密盗用の方法を全面的にカバーすることを確保すべきである。
二、中国は、営業秘密盗用のその他の行為を列挙すべきである。特に:
(一)電子侵入;(二)秘密情報または秘密保持を意図した情報を開示しない義務の違反または違反の誘発;(三)開示から保護する義務、またはその使用を制限する義務がある状況で取得した企業秘密の不正な開示または使用。
三、中国と米国は営業秘密保護における協力を強化することに同意する。
四、米国は、現在の米国の措置が本条に規定の内容と同等な待遇を与えることを確認する。
第1.5条 民事手続きにおける立証責任の移転
一、双方は、営業秘密を侵害する民事司法手続きにおいて、営業秘密の権利者が、被告の営業秘密の侵害を合理的に指し示す間接的な証拠を含む初歩的な証拠を提供した場合、立証責任または証拠提供の責任(それぞれの法律体系の下で適切な用語を使用)が被告に移転すること、を規定すべきである。
二、中国は、以下のことを規定すべきである。
(一)営業秘密の権利者が以下の証拠を提供する場合、営業秘密を侵害しなかったことを証明する立証責任または証拠提供の責任(それぞれの法律体系の下で適切な用語を使用)が被告に移転する。
一、被告には営業秘密の証拠を入手するルートまたは機会があり、かつ、被告が使用した情報は実質的に当該営業秘密と同じである;
二、営業秘密が被告によって開示または使用された、または開示または使用されるリスクがあるという証拠。
(二)権利者は、その主張する営業秘密の秘密保持措置を講じたことを証明できる初歩証拠を提供した場合、立証責任または証拠提供の責任(それぞれの法律体系の下で適切な用語を使用)が被告に移転して、権利者によって確認された営業秘密は、通常、関係する情報を扱う人にとって、一般に知られている、または容易に入手可能なものであるため、営業秘密ではないことを証明する。
三、米国は、現在の米国の措置が本条に規定の内容と同等な待遇を与えることを確認する。
第1.6条 営業秘密の使用を阻止するための暫定処置
一、双方は、侵害された営業秘密の使用を阻止するために、タイムリーで効果的な暫定処置を規定すべきである。
二、中国は、主張された営業秘密情報の使用または使用の試みを「緊急事態」とみなすべきであり、司法当局に事件の特定の事実と状況に基づいて行為の保全措置を講じる権利を与える。
三、米国は、現在の米国の措置が本条に規定の内容と同等な待遇を与えることを確認する。
第1.7条 刑事手続き開始の基準
一、双方は、営業秘密侵害の犯罪調査を開始するための前提条件として、営業秘密の権利者が、実際の損失が発生したと確定するという要件を取り消すものとする。
二、中国は、以下のことを規定すべきである:
(一)過渡措置として、関連する法律の営業秘密条項では、刑事手続き開始の基準としての「重大な損失」は救済のコストによって十分に証明できることを明確にする必要がある。例えば、事業運営や計画への損害、或いは、コンピューターや他のシステムの安全を改めて保障するコストを軽減し、かつ、刑事手続き開始のすべての基準を下げる。(二)フォローアップ措置として、営業秘密侵害の犯罪捜査を開始するための前提条件として、営業秘密の権利者の実際の損失を確定する要件を適用可能なすべての対策から削除する。
第1.8条 刑事手続きおよび処罰
一、双方は、刑事手続きと処罰が営業秘密の意図的な違反の処理に適用されることを規定するものとする。
二、中国の刑事手続きと処罰において、少なくとも、盗難、詐欺、物理的または電子的な侵入による営業秘密の違反およびコンピューターシステムの不正または不適切な使用のような行為を禁止行為とすべきである。
三、米国は、現在の米国の措置が本条に規定の内容と同等な待遇を与えることを確認する。
第1.9条 政府機関による不正な開示から企業秘密および企業秘密情報を保護
一、企業秘密の保護をさらに強化し、さまざまなタイプの企業のイノベーションを促進するために、中国は、政府機関職員または第三者の専門家またはコンサルタントが中央政府または地方政府レベルで刑事、民事、行政または規制手続きで提出した非公開情報、営業秘密、または機密ビジネス情報を不正的に開示することを禁止すべきである。
二、中国は、各レベルの政府機関またはその他の機関に、以下のことを要求すべきである。
(一)合法的な調査または監督に必要な範囲で情報提出を請求すること;
(二)提出された情報にアクセスできる人を法的調査または監督を行う政府職員に制限すること;
(三)提出された情報のセキュリティと保護を確保すること;
(四)情報の提出者と競争関係にあること、または調査や監督の結果に実際的または可能性のある経済的利益を持っている第三者の専門家またはコンサルタントは、そのような情報にアクセスできないことを確保すること;
(五)情報開示の免除を申請する手続と、情報の第三者への開示に異議を申し立てるメカニズムを確立すること;
(六)営業秘密または機密ビジネス情報の無許可開示行為に対して、そのような無許可開示を阻止する刑事、民事および行政処罰を実施する必要があり、たとえば、罰金および雇用の停止または解雇、関連する法律の改正における最終措置の一部としての投獄を含んでいる。
三、米国は、現在の米国の措置が本条に規定の内容と同等な待遇を与えることを確認する。
第三節 医薬品関連の知的財産権
薬物は人々の生活と健康に関連しており、がん、糖尿病、高血圧、脳卒中などの疾患を治療および治療する新しい方法を見つける必要性が続いている。医学分野における中国と米国間の革新と協力を促進し、患者のニーズによりよく応えるために、双方は、特許および市場承認条件を満たすために提出された非公開の試験データまたはその他のデータを含む、医薬品関連の知的財産権に対して、有効的な保護および法律執行を提供すべきである。
第1.10条 データ補足を検討する
一、中国は、医薬品の特許出願人が、完全な開示および創造性の要件を含む関連する特許性要件を満たすために、特許審査手続き、特許復審手続き、および司法手続きにおいて、データの補足を許可すべきである。
二、米国は、現在の米国の措置が本条に規定の内容と同等な待遇を与えることを確認する。
第1.11条 特許紛争の早期解決のための効果的なメカニズム
一、バイオ医薬品を含む医薬品の販売を批准するための条件として、中国は、安全性と有効性の情報を最初に提出した人以外の人が、以前に批准された製品の安全性と有効性に関する証拠または情報により、たとえば、中国または他の国で販売することが批准された証拠を許容する場合、中国は、以下のことを規定すべきである。
(一)他の人がすでに批准されている製品、または使用方法に適用される特許の有効期間内で当該製品を販売しようとしていることを、特許権者、ライセンシー、または販売許可保有者に通知する制度を規定する;
(二)権利侵害の疑いのある製品が販売される前に、特許権者が段落(三)で提供される救済を求める十分な時間と機会を規定する;及び、
(三)批准された医薬品または使用方法に適用された特許の有効性または権利侵害に関する紛争を迅速に解決するために、例えば、行為保全措置または同等の効果的な暫定措置などのような司法または行政手続きおよび快速救済手段を規定する。
二、中国は、全国範囲において、上記の最初の段落に適合している医薬品関連制度を確立する必要がある。これは、特許権者、ライセンシー、または販売許可保有者が、被疑侵害製品が販売される前に訴訟を提起し、特許の有効性または権利侵害紛争を解決するために、民事司法手続き及び快速救済を求める権利を有することを含む。侵害されているとされる製品がマーケティング認可を取得したという前提で訴訟を起こす権利を有することを要求します。また、中国はそのような紛争を解決するための行政手続きを提供することができる。
三、米国は、現在の米国の措置が本条に規定の内容と同等な待遇を与えることを確認する。
第四節 特許
第1.12条 特許有効期間の延長
一、双方は、特許権付与または医薬品販売の批准手続きにおける不当な遅延を補償するために、特許の有効期間の延長を規定すべきである。
二、(一)中国は、特許権者の請求に応じて、特許の有効期間を延長して、出願人の原因ではない特許権の権利化段階における不合理な遅延を補償すべきである。本条規定において、不合理な遅延には、少なくとも、中国での出願の出願日から4年以内、または出願の実体審査請求から3年以内に権利化されない場合を含むべきであり、そのいずれか遅い方に準する。
(二)中国での販売が批准された新薬製品とその製造および使用方法に関する特許について、中国は、特許権者の請求に応じて、中国での製品の最初の商用的使用に関する販売批准手続きに起因する特許権者の特許有効期間の不合理な短縮を補償するために、新薬製品の特許、その批准された使用方法または製造方法の特許の有効期間または特許権の有効期間を調整すべきである。このような調整は、いずれも、同等な制限および例外条件をもって、元の特許における批准された製品、その使用方法の製品、その使用方法または製造方法に係わる特許クレームのすべての専有権に適用する。中国はそのような調整を最大5年に制限することができ、かつ、特許の有効性の合計は、中国での販売が批准された日から14年を超えてはならない。
(三)米国は、現在の米国の措置が本条に規定の内容と同等な待遇を与えることを確認する。
第五節 ECサイトにおける著作権侵害と偽造
中国と米国は、eコマース取引の発展を促進するために、協力を強化し、eコマース取引市場での侵害と偽造を共同でそれぞれに攻撃すべきである。双方は、可能な障壁を減らし、消費者が適法なコンテンツをタイムリーに取得できるようにし、その適法なコンテンツに対して著作権の保護を与える同時に、著作権侵害と偽造を減らすために、ECサイトに対して、効果的な法律執行手続きを提供する。
第1.13条 インターネット上の侵害を攻撃
一、中国は、権利者がネット環境での侵害行為に対して、効果的な通知または削除を含む、侵害を阻止するための法律執行手続きを提供するような、効果的かつ迅速な措置を講じることができる。
二、中国は、以下の措置を取るべきである。
(一)即時に削除することを要求する;
(二)善意によって提出された間違った削除通知の責任を免除する;
(三)権利者が異議申し立て通知を受け取った後、司法または行政上の苦情を提出する期限を20営業日まで延長する;
(四)通知と異議申し立て通知を要求する場合に関連情報を提出することにより、悪意のある通知と異議申し立て通知の提出に処罰を課して、削除通知と異議申し立て通知の有効性を確保する。
三、米国は、米国の現行法執行手続きにより、権利者がネット環境での侵害に対応するための措置を取ることができることを確認する。
四、双方は、ネット上の侵害を攻撃するために、適切な場合に、さらなる協力を検討することに同意する。
第1.14条 主なECサイトにおける侵害
一、双方は、知的財産権侵害を攻撃するために必要な措置を講じない主要なECサイトに対して、プラットフォーム上での偽造品または海賊版商品の拡散を攻撃する効果的な行動を取るべきである。
二、中国は、偽造品または海賊版の販売を繰り返し抑制できなかったeコマース取引プラットフォームに対して、ネット店舗運用許可を取り消す可能性があることを規定すべきである。
三、米国は、米国が偽造品または海賊版商品の販売を取り締まるためのさらなる措置を検討していることを確認する。
第六節 地理的表示
双方は、地理的表示の保護が完全に透明で手続き上の公正であることを保証するものとする。これには、通用名称(すなわち、常用名称)の保護、既存の商標権の尊重、異議申立および取消しの明確な手続、及び、商標または通用名称の使用に依存する輸出製品の公平的な市場進入を含んでいる。
第1.15条 地理的表示と国際協議
一、中国は、ひとつの国際協議に基づいて他の取引相手によって行われた、または今後行われる地理的表示の認識または保護の要求に対して取られた措置が、商標および通用名称を使用して中国に輸出される米国の商品およびサービスの市場進入を損なうことのないよう保証すべきである。一方は、「通用」という用語を「商品に関連して共通言語で関連する貨物に慣用される常用名称」と同義語と見なすことができる。
二、中国は、米国を含む貿易相手国に、中国とその他の貿易パートナーとの協議のリスト、付録、添付資料、カバーレターに記載されている地理的表示について異議を申し立てるのに必要な機会を与えるべきである。
三、米国は、現在の米国の措置が本条に規定の内容と同等な待遇を与えることを確認する。
第1.16条 一般的な市場進入に関する地理的表示の問題
一、中国は、以下のことを確保すべきである。
(一)管轄部門がある名称が中国の通用名称であるかどうかを判断するとき、中国の消費者が名称をどのように理解しているかを検討する必要がある。具体的には、以下の要素を含む。
一、辞書、新聞、関連ウェブサイトなどの信頼できるソース;
二、当該名称に示された商品が中国でどのように販売され、貿易で使用されているか;
3.当該名称は、適切な状況下で、たとえば、コーデックス委員会が発行した標準のような関連基準に従って、中国の商品の類型または類別に対応する貨物に使用されているかどうか;
4.関連する貨物は、出願書または申請書で指定された地域外の場所から大量で中国に輸入されたか否か、かつ、貨物の原産地について公衆を誤解させる方式ではない、及びこれらの輸入貨物が当該名称で命名されたか否か。
(二)いかなる地理的表示は、国際協議またはその他で許可または認識されているかどうかに関係なく、時間が経つと通用名称になり、結果として取り消される可能性がある。
二、米国は、現在の米国の措置が本条に規定の内容と同等な待遇を与えることを確認する。
第1.17条 複合名称
一、双方は、一方の地理的表示によって保護される複合名称の個別の部分トが通用名称である場合、その部分が当該地理的表示によって保護されないことを保証すべきである。
二、中国が複合名称に地理的表示の保護を提供する場合、複合名称で保護されていない個別の部分がある場合は、それを公開する必要がある。
三、米国は、現在の米国の措置が本条に規定の内容と同等な待遇を与えることを確認する。
第七節 海賊版および偽造品の生産と輸出
海賊版および偽造品は公益に深刻な損害を与え、中国および米国の権利者に損害を与える。双方は、公衆衛生または個人の安全に重大な影響を与えるものを含む、偽造および海賊版製品の生産および流通を防止するために、継続的かつ効果的な措置を講じるものとする。
第1.18条 偽造薬品
一、双方は、医薬品有効成分、バルク化学物質または生物学的製品を含む偽造薬および関連製品を攻撃するために、効果的かつ迅速な執行措置を講じるものとする。
二、中国は、以下の措置を取るべきである。
(一)医薬品有効成分、バルク化学物質、生物学的製品を含む偽造薬品やバイオ関連薬品を攻撃するための効果的かつ迅速な執行措置を講じる。(二)中国の監督管理部門により検査され、中国の法律法規の要件を満たす医薬品原料源の登録情報、および関連する執法検査に必要な情報を米国と共有する。(三)本協議が発効してから6ヶ月以内に、国家薬品監督管理局、工業と情報化部或は後任機構による押収、営業免許の取り消し、罰金及びその他の行動を含む、執法措置に関する関連データを年毎にインターネットで公開する。 三.米国は、米国における現行措置が偽造薬品および関連製品を迅速且つ効果的に打撃することができることを確認する。
第1.19条 健康と安全上リスクが存在する偽造品
一、双方は、公衆衛生または個人の安全に重大な影響を与える偽造品の製造および流通を防止するための継続的かつ効果的な行動を確保するものとする。 二、中国は以下の措置を取るものとする。本協議が発効してから3ヶ月以内に、執法行動を明確に増やすこと、本協議が発効してから4ヶ月以内に、関連執法行動による測定可能な影響データを四半期ごとにインターネットで公開すること。 三、双方は、健康と安全上リスクが存在する偽造品を打撃するために、適切な状況で協力を強化することを検討するものとする。
第1.20条 偽造品廃棄
一、国境措置について、双方は次のことを規定するものとする。(一)特定な場合を除き、偽造または著作権侵害の理由で現地税関に通関中止され、海賊版または偽造品として押収又は没収された商品を廃棄する。(二)偽造品に付けられた商標のみ削除したとしても、当該商品が流通ルートに入ることを許可しない。(三)特定な場合を除き、主管部門は、いかなる状況でも偽造品または海賊版商品の輸出または他の通関手続きに入ることを許可する裁量権を有しない。二、民事司法手続きについて、双方は次のことを規定するものとする。(一)特定な場合を除き、権利者の請求により、偽造または海賊版であると認定された商品を廃棄するものとする。(二)司法部門は、権利者の請求により、主に偽造品または海賊版商品の製造に用いられる材料及びツールを即時に廃棄することを命じるものとし、また如何なる補償も与えない。或は、特定な場合には、侵害リスクを最低に抑えるために、これらの商品を流通ルート以外のルートで処置し、また如何なる補償も与えない。(三)偽造商品に付けられた商標のみ削除したとしても、当該商品が流通ルートに入ることを許可しない。(四)司法部門は、権利者の請求により、侵害者が権利者に侵害による不正利益、又は、権利者が受けた損失を十分に補償できる賠償金を支払うことを命じるものとする。三、刑事司法手続きについて、双方は次のことを規定するものとする。(一)特定な場合を除き、司法部門は、偽造品、海賊版商品、及び商品に付けられた模倣標識に用いられるものを没収又は廃棄するものとする。(二)特定な場合を除き、司法部門は、主に偽造品または海賊版商品の製造に用いられる材料及びツールを即時に廃棄することを命じるものとする。 (三)没収及び廃棄したものについて、被告に対して如何なる形の補償も与えてはならない。(四)司法部門又はその他の主管部門は、廃棄する予定の商品及びその他の資料のリストを保留するものとする。また、権利者から侵害者に対する民事又は行政訴訟を提起しようとする通知を受領した場合、証拠を保全するために、それらの商品を暫く廃棄しないという裁量権を有する。四、米国は、米国の現行措置が、本条内容と同等の扱いをしていることを確認する。
第1.21条 国境執法行動
一、双方は、輸出または積み替えられた偽造品および海賊版商品の数を減らすために、執法における協力を強化するように努めるものとする。
二、中国は、輸出または積み替えられた偽造品および海賊版商品に注目し、偽造品および海賊版商品に対する検査、押収、差止め、行政没収およびその他の税関執法権力の行使について、トレーニングを受ける執法役員の数を引き続き増やすものとする。 中国が次の措置を取るものとする。本協議が発効してから9ヶ月以内に税関執法役員に対するトレーニングを大幅に増やすこと、本協議が発効してから3ヶ月以内に執法行動を大幅に増やし、また四半期ごとにインターネットで執法行動に係わる情報を更新すること。
三、双方は、適切な状況において国境執法に係わる協力を行うことに同意する。
第1.22条 実体市場における執法
一、双方は、実体市場における著作権および商標権侵害行為を継続的且つ効果的に打撃する。 二、中国が次の措置を取るものとする。本協議が発効してから4ヶ月以内に執法行動を大幅に増やすこと、四半期ごとにインターネットで実体市場に対する執法行動に係わる情報を更新すること。 三、米国は、米国の現行措置が実体市場における著作権および商標権侵害行為に対して効果的な執法を行ったことを確認する。
第1.23条 ライセンスがないソフトウェア
一、双方は、すべての政府機関および政府が所有またはコントロールする実体が、ライセンスソフトウェアのみをインストール及び使用していることを確保するものとする。
二、中国が次の措置を取るものとする。本協議が発効してから7ヶ月以内に、資格がある非政府所有または関連する第三者を雇用して年次監査を行い、またインターネットで監査結果を公開すること。
三、米国は、米国の現行措置が、政府機関とその請負業者がライセンスソフトウェアのみをインストール及び使用することを要求していることを確認する。
第八節 悪意による商標登録
第1.24条
商標保護を強化するために、双方は、特に悪意による商標登録行為を打撃するために、商標権に対する保護と執法が十分且つ効果的であることを確保するものとする。
第1.25条
米国は、米国の現行措置が、本条内容と同等の扱いをしていることを確認する。
第九節 知的財産権案件に係わる司法執行と手続き
第1.26条 行政執法から刑事執法への移行
一、客観的な基準により、明確な事実に基づいた知的財産権の刑事違法行為の「合理的な疑い」がある場合、中国は行政部門に刑事執法へ案件を移行することを要求するものとする。二、米国は、関連する米国当局が刑事執法に適切な案件を提出する権利を有していることを確認する。
第1.27条 抑止の目的に達する罰則
一.双方は、将来の知的財産権の盗難または侵害を十分に抑止できる民事救済および刑事処罰を規定するものとする。二、中国:(1)初期措置として、発生可能な知的財産権の盗難または侵害を抑止し、既存の救済措置と罰則の適用を強化するものとする。また、知的財産権関連の法律により、最高の法的罰則に近いか、それに達する方法で厳しく処罰し、発生可能な知的財産権の盗難または侵害を抑止する。(2)フォローアップ手段として、将来の盗難または知的財産権の侵害行為を抑止するために、法定賠償額、投獄および罰金の最低及び最高制限を引き上げるものとする。三、米国は、適切な状況において、二国間の知的財産権刑事執法チームの枠組みの下で中国との交流と協力を強化することを講じ、知的財産権刑事執法におけるより多くの経験の共有と実務協力を検討するものとする。
第1.28条 判决执行
一.双方は、裁判所が最終的に裁定した全ての罰金、処罰、賠償金の支払い、禁令またはその他の知的財産権に係わる救済措置が速やかに執行されることを確保するものとする。二、中国の取るべき措置は、判決の迅速な執行を確保するために作業ガイドラインと実施計画を実行すること、本協議が発効してから1か月以内に、作業ガイドラインと実施計画を公布し、四半期ごとにインターネットで実施結果報告を公開することである。三、米国は、米国における現行の措置が、知的財産権侵害に対する関連判決を含む判決の迅速な執行を保証できることを確認する。
第1.29条 著作権及び関連する権利の執行
一、著作権または関連する権利に係わる民事、行政および刑事訴訟において、双方は次のことを行うものとする。(一)次の法的推定を規定する。反対の証拠がない場合、著者、出版者、演劇のパフォーマー、或は録音製品のパフォーマーまたはプロデューサーは、当該作品、演劇或は録音製品の著作権者又は関連する権利の権利者であり、また、著作権または関連する権利は、上記の作品、演劇或は録音製品に存在する。(二)前記(一)の推定に該当し、しかも被疑侵害者(被告)が反論の証拠を提出していない場合、著作権または関連する権利の所有権、ライセンスまたは侵害を確立するために著作権または関連する権利の譲渡契約書またはその他の文書を提出する要件を免除する。(三)被疑侵害者は、著作権または関連する権利によって保護されている著作物を使用する行為が既に同意されたこと(被疑侵害者が既に権利者から作品の使用許可を得たことを称する場合を含む、例えば、ライセンス。)を証明するための証拠提供の責任または挙証責任を負うことを規定する(自国の法律体系により適切な用語を使用する)。二、米国は、米国の現行措置が、本条内容と同等の扱いをしていることを確認する。
第1.30条 文書認証(「領事認証」)
一、民事司法手続において、当事者間の認可、または偽証刑を受けることを前提とする証人証言の導入を通じて真実性を確認できる証拠については、双方はは領事官の印またはスタンプの取得等の証拠認証の形式上要求を提出しなければならない。二、当事者間の認可、または偽証刑を受けることを前提とする証人証言の導入を通じて真実性を確認できない証拠については、中国は公証および認証手続きを簡素化するものとする。三、米国は、米国の現行措置が、本条内容と同等の扱いをしていることを確認する。
第1.31条 証人証言
一、民事司法手続において、中国は、当事者に事件の証人または専門家を要請し、法廷審理で証人証言を尋問する合理的な機会を与えるものとする。二、米国は、米国の現行措置が、本条内容と同等の扱いをしていることを確認する。
第十節 二国間知的財産権保護協力
第1.32条
本協議の知的財産権章節に関連する協力活動およびイニシアチブは、利用可能なリソースに基づき、要求に応じ、また双方が合意した条項及び条件により行うものとする。
第1.33条
双方は、知的財産権保護における二国間協力を強化し、当該分野における実務協力を促進することに同意する。中国国家知的財産局と米国特許商標局は、共同プロジェクト、業界へのアウトリーチ、情報と専門家交流、会議又はその他の手段による定期的な交流、公衆意識分野での協力など、知的財産権の隔年協力作業計画について議論する。
第十一節 履行
第1.34条
双方は、自国の法律体系および実践により適切な方法を選択して、本協議を履行するものとする。必要に応じて、双方は国内の法的手続きに従って立法機構に法改正提案を提出するものとする。二国間評価および紛争解決の章節と一致して、双方は本契約における義務を全て履行することを確保するものとする。
第1.35条
本協議が発効してから30営業日以内に、中国は知的財産権保護を強化し、経済が品質高く発展することを促進するための行動計画を策定する。本行動計画には、中国が本章節の義務を履行するために取る各措置と発効日を含むが、これらに限定されない。
第1.36条
米国は、米国の現行措置が本章節に規定されている義務と一致していることを確認する。
第二章 技術移転
双方は、自主的および市場条件で技術移転を確保することの重要性を確認し、強制技術移転が重要な懸念事項であることを認識している。技術と技術の変化が世界経済に大きな影響を与えるため、双方はこれらの問題を解決する措置を講じることの重要性を更に認識している。
技術的事項に関する相互信頼と協力を強化し、知的財産権を保護し、貿易と投資を促進し、また長期的な構造的問題を解決するために強固な基盤を築くよう、双方は次のように合意した。
第 2.1 条 総 則
一、一方の自然人または法人(「個人」)は、相手方から技術を移転するように強制または圧力を受けることなく、相手方の管轄区に効果的に入り、公然と自由に業務を遂行できるものとする。
二、双方の個人間の技術移転またはライセンスは、自主的且つ双方の個人の同意を反映する市場条件に基づくものとする。
三、一方は、自国の個人が自国の産業計画で指定された分野および業界に対して、外国技術の取得を目的とした国外直接投資活動を行うことを支援または指導してはならない。
第2.2条 市場アクセス
買収、合資またはその他の投資取引について、双方とも、相手方の個人に自国の個人に技術を移転することを要求または威圧してはならない。
第2.3条 行政管理及び行政許可の要求と手続き
一、双方とも、技術を自国の個人に移転させるように相手方の個人に要求または威圧する行政管理及び行政許可の要求と手続きを採るまたは維持してはならない。
二、双方とも、相手方の個人に技術を自国の個人に移転させるように公式または非公式に要求または威圧してはならない。また、これを次の事項の条件とする。(一)行政管理または行政許可要求の承認。 (二)自国の管轄区で事業を行うこと、自国の市場に参入すること、及び(三)自国からの有利な条件を取得または引き続き取得すること。
三、双方とも、相手方の個人に技術を自国の個人が保有する関連技術又はライセンスされた関連技術を使用させる又はその技術へ片寄らせるように公式または非公式に要求または威圧してはならない。また、これを次の事項の条件とする。(一)行政管理または行政許可要求の承認。(二)自国の管轄区で事業を行うこと、自国の市場に参入すること、及び(三)自国からの有利な条件を取得または引き続き取得すること。
四、双方は、行政管理および行政許可の要求と手続きを透明化するものとする。
五、双方は、関連する行政管理又は監督管理要件への準拠を証明することに必要でない機密技術情報の開示を外国個人に要求または威圧してはならない。
六、双方は、行政管理、監督管理、又はその他の審査過程において外国人が開示した機密技術情報を守秘するものとする。
第 2.4 条 正当な手続きと透明化
一、双方は、相手方の個人に係わるすべての法律法規の執行が公正、公平、透明化、及び差別がないことを保証するものとする。
二、双方は、本契約に係わる事項に関連する行政手続の規則を公布することを確保し、少なくとも手続に係わる事項、適用される法律法規、証拠の規則、及び関連する救済・制裁措置を含む実質的な通報を提供するものとする。
三、双方は、相手方の個人が以下の権利を有することを規定するものとする。(一)自分に対する行政手続において、証拠を閲覧し、実質的な応答機会を有する。(2)行政手続において弁護士に代理される。
第2.5条 科学と技術協力
双方は、適切な状況において科学と技術の協力を行うことに同意する。