中華人民共和国商標法全文(2026年改正)
時間: 2026-06-30 アクセス数:

 1982823日第5期全国人民代表大会常務委員会第24回会議採択 1993222日第7期全国人民代表大会常務委員会第30回会議「『中華人民共和国商標法』の改正に関する決定」により第1次改正 20011027日第9期全国人民代表大会常務委員会第24回会議「『中華人民共和国商標法』の改正に関する決定」により第2次改正 2013830日第12期全国人民代表大会常務委員会第4回会議「『中華人民共和国商標法』の改正に関する決定」により第3次改正 2019423日第13期全国人民代表大会常務委員会第10回会議「『中華人民共和国建築法』等8つの法律の改正に関する決定」により第4次改正 2026626日第14期全国人民代表大会常務委員会第23回会議改正)

 

目次

·             第一章 総則

·             第二章 商標登録の要件

·             第三章 商標登録の出願

·             第四章 商標登録の審査および査定

·             第五章 登録商標の更新、変更、譲渡および抹消

·             第六章 登録商標の無効宣告

·             第七章 商標管理

·             第八章 登録商標専用権の保護

·             第九章 附則

第一章 総則

第一条

登録商標専用権を保護し、商標管理を強化し、商標の登録および使用を規範化し、生産経営者に商品およびサービスの品質を保証させ、商標の信用を維持し、消費者および生産経営者の利益を保障し、社会主義市場経済の健全な発展を促進するため、本法を制定する。

第二条

本法において「商標」とは、商品またはサービスの出所を識別し、かつ区別するために用いられる標識をいい、商品商標およびサービス商標を含む。本法における商品商標に関する規定は、サービス商標に適用する。

本法において「商標の使用」とは、商品、商品の包装もしくは容器ならびに商品取引の文書に商標を付する行為、または広告宣伝、展示会その他の商業活動において商標を使用する行為であって、商品またはサービスの出所を識別し、かつ区別するための行為をいう。

前項にいう「商標の使用」には、インターネット等の情報ネットワークを通じて実施される使用行為を含む。

第三条

商標業務は、党および国家の知的財産権戦略の配備を貫徹し、商標の保護、運用、管理およびサービスのレベルを向上させなければならない。

第四条

国務院商標管理部門は、全国の商標登録および管理業務を主管する。県級以上の地方人民政府の商標管理業務を掌る部門は、当該行政区域内の商標管理業務を掌る。

県級以上の人民政府の商標執行職能を担う部門は、その職責権限に従い、商標執行業務を掌る。

商標登録管理業務を掌る部門および商標執行を掌る部門は、連携メカニズムを確立し、情報の共有および業務の協調を強化しなければならない。

第五条

国務院商標管理部門により登録が査定された商標を登録商標とする。商標登録人は、「登録商標」の文字または登録標識を明示する権利を有し、登録商標専用権を享有し、法律の保護を受ける。

自然人、法人または法人格を有しない組織が、生産経営活動において、その商品またはサービスについて登録商標専用権を取得する必要がある場合は、国務院商標管理部門に商標登録を出願しなければならない。

第六条

本法において「団体商標」とは、業界団体等の社会団体その他の組織の名義で登録され、当該組織の構成員が商業活動において使用し、使用者が当該組織の構成員資格を有することを示すための標識をいう。

本法において「証明商標」とは、ある商品またはサービスに対して監督能力を有する組織が管理し、当該組織以外の企業/団体または個人がその商品またはサービスに使用して、当該商品またはサービスの原産地、原材料、製造方法、品質その他の特定の品質を証明するための標識をいう。

団体商標および証明商標の登録ならびに管理に関する特殊事項は、国務院商標管理部門が規定する。

第七条

2以上の自然人、法人または法人格を有しない組織は、共同で国務院商標管理部門に同一の商標の登録を出願し、当該登録商標専用権を共同で享有し、および行使することができる。

第八条

法律または行政法規により登録商標の使用が義務付けられている商品については、商標登録を出願しなければならず、登録の査定を受けていないものは、市場で販売してはならない。

第九条

商標の登録出願および使用は、誠実信義の原則に従わなければならず、権利を濫用して国家の利益、社会の公共の利益または他人の適法な権利利益を損なってはならない。

商標使用者は、その商標を使用する商品の品質について責任を負わなければならない。各級の商標管理業務および商標執行を掌る部門は、法に基づいて商標管理および執行を強化し、消費者を欺く行為を制止しなければならない。

第十条

商標登録の出願またはその他の商標事項の処理は、自ら行うことができ、法に基づいて設立された商標代理機構に委託して行うこともできる。

第十一条

外国人、外国企業または外国のその他の組織が中国において商標登録を出願する場合は、その所属国と中華人民共和国が締結した協定もしくは共同で加盟する国際条約に従って処理し、または相互主義の原則に従って処理しなければならない。

中国国内に常居所または営業所を有しない外国人、外国企業または外国のその他の組織が、中国において商標登録を出願し、またはその他の商標事項を処理する場合は、法に基づいて設立された商標代理機構に委託して行わなければならない。

第十二条

商標の国際登録は、中華人民共和国が締結し、または加盟した関連国際条約により確立された制度に従うものとし、具体的な措置は国務院が規定する。

第十三条

国務院商標管理部門は、情報化およびインテリジェント化された商標公共サービス体系の構築を強化し、商標業務処理の利便性を向上させ、完全、正確かつ適時に商標情報を発表し、商標情報のサービスおよび管理レベルを向上させなければならない。

第二章 商標登録の要件

第十四条

自然人、法人または法人格を有しない組織の商品を他人の商品と区別することができる標識であって、文字、図形、アルファベット、数字、三次元標識、色彩の組み合わせ、音、動的標識等、およびこれらの要素の組み合わせを含むものは、いずれも商標として登録を出願することができる。

第十五条

次の標識は、商標として登録し、および使用してはならない。

(一)中国共産党の名称、党旗、党徽、勲章、または重要な理論的成果、歴史的事件に関連する象徴的要素等と同一または類似のもの。

(二)中華人民共和国の国家の名称、国旗、国徽、国歌、軍旗、軍徽、軍歌、勲章等と同一または類似のもの、ならびに中央国家機関の名称、標識、所在地である特定の場所の名称または象徴的建造物の名称、図形と同一のもの。

(三)外国の国家の名称、国旗、国徽、軍旗等と同一または類似のもの。ただし、当該外国政府の同意を得た場合を除く。

(四)政府間国際組織の名称、旗、徽章等と同一または類似のもの。ただし、当該組織の同意を得た場合、または公衆に誤認を生じさせにくい場合を除く。

(五)監督管理を実施し、または保証を与えることを示す公の標識もしくは検査の印章と同一または類似のもの。ただし、授権された場合を除く。

(六)「赤十字」、「赤新月」の名称、標識と同一または類似のもの。

(七)民族差別的な性質を帯びるもの。

(八)欺瞞性を帯び、商品の品質、技法(製造工程)、原材料等の特徴または原産地について公衆に誤認を生じさせやすいもの。

(九)公序良俗に反するもの、またはその他の悪影響を及ぼすもの。

第十六条

県級以上の行政区画の名称または公に知られている外国の地名は、商標として登録し、および使用してはならない。ただし、地名がその他の意味を有する場合、または団体商標もしくは証明商標の構成部分である場合を除く。すでに登録されている地名を使用した商標は、引き続き有効とする。

国立公園の標識、オリンピックの標識、特殊標識等の標識を商標として登録し、および使用する場合は、本法ならびに関連する法律および行政法規の規定に従って執行する。

第十七条

登録を出願する商標は、識別を容易にするため、顕著な特徴(識別力)を有していなければならない。次の標識は、商標として登録してはならない。

(一)当該商品の一般的名称、図形、型式のみからなるもの。

(二)商品の品質、主要原材料、機能、用途、重量、数量およびその他の特徴を直接表示するもののみからなるもの。

(三)その他、顕著な特徴を欠くもの。

前項に掲げる標識であっても、使用によって顕著な特徴を取得し、かつ識別が容易になったものは、商標として登録することができる。

第十八条

三次元標識、色彩の組み合わせ、音、動的標識等をもって商標登録を出願する場合、商品自体の性質から生じる形状、色彩の組み合わせ、音、動的効果等、技術的効果を得るために必要なもの、または商品に実質的な価値をもたらすもののみからなるものは、商標として登録してはならない。

第十九条

使用を目的とせず、かつ通常の生産経営の必要性を明らかに超えて商標登録を出願した場合は、登録を認めない。

欺瞞その他の不正な手段により商標登録を出願してはならない。

第二十条

登録を出願する商標は、同一の商品または類似の商品について、他人がすでに登録し、または先に出願した商標と同一または類似のものであってはならない。

第二十一条

同一または類似の商品について登録を出願した商標が、中国において登録されていない他人の著名商標を複製、模倣または翻訳したものであって、混同を生じさせやすいものである場合は、登録を認めず、かつその使用を禁止する。

同一でないまたは類似でない商品について登録を出願した商標が、他人の著名商標を複製、模倣または翻訳したものであって、公衆を誤認させ、それによって当該著名商標の保有者の利益に損害を与えるおそれがあるものである場合は、登録を認めず、かつその使用を禁止する。

第二十二条

授権(代理権の授与)を受けることなく、代理人または代表人が自己の名義で被代理人または被代表人の商標を登録した場合において、被代理人または被代表人が異議を申し立てたときは、登録を認めず、かつその使用を禁止する。

同一の商品または類似の商品について登録を出願した商標が、他人が先に使用している未登録の商標と同一または類似するものであり、出願人が当該他人と前項に規定する関係以外の契約、業務上の往来関係その他の関係を有することによって当該他人の商標の存在を明らかに知っていた場合において、当該他人が異議を申し立てたときは、登録を認めない。

第二十三条

商標中に商品の地理的表示が含まれている場合において、当該商品が当該地理的表示の示す地域を原産地とするものではなく、公衆を誤認させるものであるときは、登録を認めず、かつその使用を禁止する。ただし、すでに善意で取得された登録は引き続き有効とする。

前項にいう「地理的表示」とは、ある商品がある地域を原産地とすることを示す標識であって、当該商品の特定の品質、信用またはその他の特徴が、主として当該地域の自然的要因または人文的要因によって決定されるものをいう。

第二十四条

商標登録の出願は、他人が現に有する先行の適法な権利利益を損なってはならず、また、他人がすでに使用し、かつ一定の影響力を有する商標を故意に先に登録してはならない。

第二十五条

商標代理機構は、その代理サービスについて商標登録を出願する場合を除き、その他の商標について登録を出願してはならない。

第三章 商標登録の出願

第二十六条

商標登録出願人は、規定された商品分類表に従って、商標を使用する商品の区分および商品の名称を記入して申告し、登録出願を行わなければならない。

商標登録出願人は、一の出願によって、複数の区分の商品について同一の商標の登録を出願することができる。

商標登録出願等の関連書類は、書面形式で提出しなければならない。電子データ交換等の方式により、記載内容を有形に表現することができ、かつ随時呼び出して査読に供することができるデータ電文は、書面形式とみなす。

第二十七条

登録商標について、査定された指定商品の範囲外の商品について登録商標専用権を取得する必要がある場合は、別途商標登録を出願しなければならない。

第二十八条

登録商標の標識を変更する必要がある場合は、改めて商標登録を出願しなければならない。

第二十九条

商標登録出願人が、外国においてその商標の最初の商標登録を出願した日から6か月以内に、中国において同一の商品について同一の商標の登録を出願した場合、当該外国が中国と締結した協定もしくは共同で加盟する国際条約に基づき、または優先権の相互承認の原則に従い、優先権を享有することができる。

前項に基づき優先権を主張する場合は、商標登録を出願する際に書面による声明を提出し、かつ3か月以内に最初に提出した商標登録出願書類の謄本を提出しなければならない。書面による声明を提出せず、または期限内に商標登録出願書類の謄本を提出しなかった場合は、優先権を主張しなかったものとみなす。

第三十条

商標が、中国政府が主催し、または承認した国際博覧会に出品された商品に初めて使用された場合、当該商品の出品の日から6か月以内は、当該商標の登録出願人は優先権を享有することができる。

前項に基づき優先権を主張する場合は、商標登録を出願する際に書面による声明を提出し、かつ3か月以内にその商品を出品した博覧会の名称、出品商品に当該商標を使用した証拠、出品日等の証明書類を提出しなければならない。書面による声明を提出せず、または期限内に証明書類を提出しなかった場合は、優先権を主張しなかったものとみなす。

第三十一条

商標登録の出願のために申告する事項および提供する材料は、真実、正確かつ完全でなければならない。

第四章 商標登録の審査および査定

第三十二条

登録が出願された商標について、国務院商標管理部門は、商標登録出願書類を受理した日から9か月以内に審査を完了しなければならず、本法の関連規定に適合するものについては、初歩査定公告(出願公開)を行う。

第三十三条

審査の過程において、国務院商標管理部門は、商標登録出願の内容について説明または修正が必要であると判断した場合は、出願人に対して説明または修正を求めることができる。出願人が説明または修正を行わない場合であっても、国務院商標管理部門による審査決定の作成に影響を及ぼさない。

第三十四条

登録が出願された商標が、本法の関連規定に適合しない場合は、国務院商標管理部門は出願を却下し、公告を行わない。

第三十五条

2以上の商標登録出願人が、同一の商品または類似の商品について、同一または類似の商標の登録を出願した場合は、先に出願した商標を初歩査定して公告する。同日に出願された場合は、先に使用した商標を初歩査定して公告し、他人の出願を却下して公告を行わない。

第三十六条

初歩査定公告(出願公開)がなされた商標に対し、公告の日から2か月以内に、先行権利者または利害関係人が本法第二十条から第二十二条まで、第二十三条第一項、第二十四条の規定に違反していると判断した場合、または何人が本法第十五条、第十六条第一項、第十七条から第十九条まで、第二十五条の規定に違反していると判断した場合は、国務院商標管理部門に異議を申し立てることができる。公告期間が満了して異議がない場合は、登録を査定し、商標登録証を交付し、かつ公告する。

第三十七条

出願を却下し、公告を行わない商標について、国務院商標管理部門は商標登録出願人に書面で通知しなければならない。商標登録出願人が不服とするときは、通知を受領した日から15日以内に国務院商標管理部門に不服審査(復審)を申請することができる。国務院商標管理部門は、申請を受理した日から9か月以内に決定を下し、出願人に書面で通知しなければならない。特殊な事情により延長が必要な場合は、国務院商標管理部門の責任者の承認を得て、3か月延長することができる。当事者が不服審査決定に不服とするときは、通知を受領した日から30日以内に人民法院に訴えを提起することができる。

第三十八条

初歩査定公告(出願公開)がなされた商標に対して異議が申し立てられた場合、国務院商標管理部門は、異議申立人および被異議申立人から事実および理由の陳述を聴取し、調査確認を経た後、公告期間満了の日から12か月以内に登録を認めるか否かの決定を下し、異議申立人および被異議申立人に書面で通知しなければならない。特殊な事情により延長が必要な場合は、国務院商標管理部門の責任者の承認を得て、6か月延長することができる。

国務院商標管理部門が登録を認める決定を下した場合は、商標登録証を交付し、かつ公告する。異議申立人が不服とするときは、本法第五十条、第五十一条の規定に基づき、国務院商標管理部門に対して当該登録商標の無効宣告を請求することができる。

国務院商標管理部門が登録を認めない決定を下し、被異議申立人が不服とするときは、通知を受領した日から15日以内に不服審査を申請することができる。国務院商標管理部門は、申請を受理した日から12か月以内に不服審査決定を下し、異議申立人および被異議申立人に書面で通知しなければならない。特殊な事情により延長が必要な場合は、国務院商標管理部門の責任者の承認を得て、6か月延長することができる。被異議申立人が不服審査決定に不服とするときは、通知を受領した日から30日以内に人民法院に訴えを提起することができる。人民法院は、異議申立人に対し、第三者として訴訟に参加するよう通知しなければならない。

第三十九条

法定期限が満了し、当事者が国務院商標管理部門の行った出願却下決定、登録不承諾決定に対して不服審査を申請せず、または不服審査決定に対して人民法院に訴えを提起しなかった場合は、出願却下決定、登録不承諾決定または不服審査決定が確定する。

審査を経て異議が成立しないとして登録が認められた商標について、商標登録出願人が登録商標専用権を取得する時期は、初歩査定公告(出願公開)の2か月の期間が満了した日から起算する。当該商標の公告期間満了の日から登録承諾決定が下されるまでの間、他人が同一または類似の商品について当該商標と同一または類似の標識を使用した行為に対しては、遡及効を有しない。ただし、当該使用者の悪意により商標登録人に与えた損失については、賠償しなければならない。

第四十条

商標登録出願および商標不服審査申請について、国務院商標管理部門は適時に審査を行わなければならない。

出願人は、前項に規定する事項について、取り下げを申請することができる。

第四十一条

国務院商標管理部門は、商標異議審査、却下不服審査、登録不承諾不服審査および無効宣告事件の審理の過程において、関係する先行権利の確定が、人民法院が審理中であるかまたは行政機関が処理中である別の事件の結果を根拠としなければならない場合は、審査審理を中止することができる。中止の事由が解消した後は、適時に審査審理手続を再開しなければならない。

第四十二条

商標登録出願人または登録人は、商標出願書類または登録書類に明らかな誤りを発見した場合は、更正を申請することができる。国務院商標管理部門は、法に基づきその職権の範囲内で更正を行い、当事者に通知する。

前項にいう「誤りの更正」は、商標出願書類または登録書類の実質的な内容に関わらないものに限る。

第五章 登録商標の更新、変更、譲渡および抹消

第四十三条

登録商標の有効期間は10年とし、登録が査定された日から起算する。

第四十四条

登録商標の有効期間が満了し、引き続き使用する必要がある場合は、商標登録人は期間満了前12か月以内に規定に従って更新手続を行わなければならない。この期間内に手続を行わなかった場合は、6か月の猶予期間(更新猶予期間)を与えることができる。1回ごとの更新登録の有効期間は10年とし、当該商標の従前の有効期間が満了した日の翌日から起算する。猶予期間が満了しても更新手続を行わなかった場合は、その登録商標を抹消する。

国務院商標管理部門は、更新登録された商標を公告しなければならない。

第四十五条

登録商標について、登録人の名義、住所またはその他の登録事項を変更する必要がある場合は、変更申請を提出しなければならない。

第四十六条

登録商標を譲渡する場合は、譲渡人と譲受人は譲渡契約を締結し、共同で国務院商標管理部門に申請を提出しなければならない。譲受人は、当該登録商標を使用する商品の品質を保証しなければならない。

登録商標を譲渡する場合、商標登録人は、同一の商品について登録している類似の商標、または類似の商品について登録している同一もしくは類似の商標を、一括して譲渡しなければならない。

混同を生じさせやすく、またはその他の悪影響を及ぼすおそれがある譲渡について、国務院商標管理部門はこれを承認せず、書面で申請人に通知しかつ理由を説明する。

登録商標の譲渡が承認された後は、これを公告する。譲受人は、公告の日から登録商標専用権を享有する。

第四十七条

団体商標または証明商標を譲渡する場合は、譲受人は相応の主体資格および監督能力を備えていなければならない。

第四十八条

商標登録人が、その登録商標の抹消、または一部の指定商品についての商標登録の抹消を申請し、国務院商標管理部門により抹消が承認された場合は、これを公告する。当該登録商標専用権または当該登録商標専用権の当該一部の指定商品における効力は、公告の日から消滅する。

第四十九条

商標登録人がその登録商標の抹消を申請した場合、抹消公告の日から1年間は、国務院商標管理部門は、他人が同一または類似の商品について当該商標と同一または類似の商標の登録を出願したとき、これを承認しない。

第六章 登録商標の無効宣告

第五十条

すでに登録されている商標が、本法第十五条、第十六条第一項、第十七条から第十九条まで、第二十五条の規定に違反している場合は、国務院商標管理部門が当該登録商標を無効と宣告し、その他の企業/団体または個人は、国務院商標管理部門に対して当該登録商標の無効宣告を請求することができる。

国務院商標管理部門は、登録商標の無効宣告の決定を下したときは、書面で当事者に通知しなければならない。当事者が不服とするときは、通知を受領した日から15日以内に不服審査を申請することができる。国務院商標管理部門は、申請を受理した日から9か月以内に決定を下し、当事者に書面で通知しなければならない。特殊な事情により延長が必要な場合は、国務院商標管理部門の責任者の承認を得て、3か月延長することができる。当事者が不服審査決定に不服とするときは、通知を受領した日から30日以内に人民法院に訴えを提起することができる。

その他の企業/団体または個人が国務院商標管理部門に対して当該登録商標の無効宣告を請求した場合、国務院商標管理部門は、申請を受理した後、書面で関係当事者に通知し、かつ期限を定めて答弁を提出させなければならない。国務院商標管理部門は、申請を受理した日から9か月以内に、登録商標の維持または登録商標の無効宣告の裁定を下し、当事者に書面で通知しなければならない。特殊な事情により延長が必要な場合は、国務院商標管理部門の責任者の承認を得て、3か月延長することができる。当事者が国務院商標管理部門の裁定に不服とするときは、通知を受領した日から30日以内に人民法院に訴えを提起することができる。人民法院は、商標裁定手続の相手方当事者に対し、第三者として訴訟に参加するよう通知しなければならない。

第五十一条

すでに登録されている商標が、本法第二十条から第二十二条まで、第二十三条第一項、第二十四条の規定に違反している場合は、商標登録の日から5年以内に、先行権利者または利害関係人は、国務院商標管理部門に対して当該登録商標の無効宣告を請求することができる。悪意の登録に対しては、著名商標の保有者は5年の時間的制限を受けない。

国務院商標管理部門は、登録商標の無効宣告の申請を受理した後、書面で関係当事者に通知し、かつ期限を定めて答弁を提出させなければならない。国務院商標管理部門は、申請を受理した日から12か月以内に、登録商標の維持または登録商標の無効宣告の裁定を下し、当事者に書面で通知しなければならない。特殊な事情により延長が必要な場合は、国務院商標管理部門の責任者の承認を得て、6か月延長することができる。当事者が国務院商標管理部門の裁定に不服とするときは、通知を受領した日から30日以内に人民法院に訴えを提起することができる。人民法院は、商標裁定手続の相手方当事者に対し、第三者として訴訟に参加するよう通知しなければならない。

第五十二条

法定期限が満了し、当事者が国務院商標管理部門の行った登録商標無効宣告決定に対して不服審査を申請せず、または不服審査決定、登録商標維持もしくは登録商標無効宣告の裁定に対して人民法院に訴えを提起しなかった場合は、国務院商標管理部門の決定または裁定が確定する。

第五十三条

本法第五十条、第五十一条の規定に基づき無効と宣告された登録商標は、国務院商標管理部門がこれを公告し、当該登録商標専用権は、はじめから存在しなかったものとみなす。

登録商標を無効とする決定または裁定は、無効宣告前に人民法院が下し、かつすでに執行された商標侵害事件の判決、裁定、和解調書および商標執行部門が下しかつすでに執行された商標侵害事件の処理決定ならびにすでに履行された商標譲渡契約または商標使用許諾契約に対して、遡及効を有しない。ただし、商標登録人の悪意により他人に与えた損失については、賠償しなければならない。

前項の規定に従い、商標侵害賠償金、商標譲渡費(譲渡代金)、商標使用料(ライセンス料)を返還しないことが、公平の原則に明らかに違反する場合は、その全部または一部を返還しなければならない。

第七章 商標管理

第五十四条

商標登録出願人に次の各号に掲げる悪意の商標登録出願行為のいずれかが存在し、悪影響を及ぼした場合は、商標執行部門が警告を与え、かつ10万元以下の過料を併科することができる。

(一)標識が本法第十五条、第十六条第一項の規定に違反していることを知りながら、なお商標として登録を出願したとき。

(二)本法第十九条の規定に違反して商標登録を出願したとき。

(三)故意に本法第二十一条、第二十二条、第二十四条の規定に違反して商標登録を出願したとき。

第五十五条

商標登録人は、みずから商標を使用することができ、また、商標使用許諾契約を締結することにより、他人にその登録商標を使用させることができる。許諾者(ライセンサー)は、被許諾者(ライセンシー)がその登録商標を使用する商品の品質を監督しなければならない。被許諾者は、当該登録商標を使用する商品の品質を保証しなければならない。被許諾者が品質保証義務を履行しない場合、許諾者は商標使用許諾契約を解除する権利を有する。

許諾を得て他人の登録商標を使用する場合は、当該登録商標を使用する商品に被許諾者の名称および商品の原産地を明示しなければならない。

他人にその登録商標の使用を許諾する場合、許諾者はその商標使用許諾を国務院商標管理部門に登録のため届け出なければならず、国務院商標管理部門がこれを公告する。商標使用許諾は、届け出を行わなければ、善意の第三者に対抗することができない。

第五十六条

公衆を誤認させる方式で登録商標を使用した場合は、商標執行部門が期限を定めて是正を命じ、違法経営額が5万元以上の場合は、違法経営額の5倍以下の過料を科すことができる。違法経営額がないか、または違法経営額が5万元に満たない場合は、25万元以下の過料を科すことができる。期限内に是正しない場合は、国務院商標管理部門がその登録商標を取り消す。

第五十七条

商標登録人が登録商標を使用する過程において、みずから登録商標、登録人の名義、住所またはその他の登録事項を変更したときは、商標執行部門が期限を定めて是正を命じる。期限内に是正しない場合は、5万元以下の過料に処する。情状が重い場合は、国務院商標管理部門がその登録商標を取り消す。

登録商標が、その査定された指定商品の一般的名称となった場合、または正当な理由なく継続して3年間使用されていない場合は、いかなる企業/団体または個人も、国務院商標管理部門に対して当該登録商標の取消しを申請することができる。国務院商標管理部門は、申請を受理した日から9か月以内に決定を下さなければならない。特殊な事情により延長が必要な場合は、国務院商標管理部門の責任者の承認を得て、3か月延長することができる。

登録商標に前項に規定する事由が存在する場合、国務院商標管理部門は、当該登録商標を取り消すことができる。具体的な措置は、国務院商標管理部門が規定する。

第五十八条

国務院商標管理部門の登録商標を取り消すかまたは取り消さないかの決定について、当事者が不服とするときは、通知を受領した日から15日以内に国務院商標管理部門に不服審査を申請することができる。国務院商標管理部門は、申請を受理した日から9か月以内に決定を下し、当事者に書面で通知しなければならない。特殊な事情により延長が必要な場合は、国務院商標管理部門の責任者の承認を得て、3か月延長することができる。当事者が不服審査決定に不服とするときは、通知を受領した日から30日以内に人民法院に訴えを提起することができる。

第五十九条

法定期限が満了し、当事者が国務院商標管理部門の行った登録商標取消決定に対して不服審査を申請せず、または不服審査決定に対して人民法院に訴えを提起しなかった場合は、登録商標取消決定または不服審査決定が確定する。

取り消された登録商標は、国務院商標管理部門がこれを公告し、当該登録商標専用権は公告の日から消滅する。

第六十条

団体商標または証明商標の登録人に次の各号に掲げる行為のいずれかが存在した場合は、商標執行部門が期限を定めて是正を命じる。期限内に是正しない場合は、1万元以下の過料に処する。情状が重い場合は、1万元以上10万元以下の過料に処する。

(一)商標管理職責の行使を怠り、消費者に損害を与えたとき。

(二)団体商標の登録人が、正当な理由なくその組織の構成員に団体商標の使用を許さず、または証明商標の登録人が、正当な理由なく要件に合致する出願人に証明商標の使用を許諾しないとき。

(三)本法、関連する行政法規および国家の関連規定に違反して登録商標専用権を行使し、悪影響を及ぼしたとき。

第六十一条

本法第八条の規定に違反した場合は、商標執行部門が期限を定めて登録出願を命じ、違法経営額が5万元以上の場合は、違法経営額の20%以下の過料を科すことができる。違法経営額がないか、または違法経営額が5万元に満たない場合は、1万元以下の過料を科すことができる。

第六十二条

未登録商標を登録商標と偽って使用した場合、または未登録商標の使用が本法第十五条、第十六条第一項の規定に違反している場合は、商標執行部門が期限を定めて是正を命じ、違法経営額が5万元以上の場合は、違法経営額の20%以下の過料を科すことができる。違法経営額がないか、または違法経営額が5万元に満たない場合は、1万元以下の過料を科すことができる。

第六十三条

関係公衆に広く知られている商標の保有者は、その権利が侵害されたと判断したとき、本法の規定に基づき著名商標の保護を請求することができる。

商標登録の審査審理、商標違法事件の取り締まりまたは不正競争事件の取り締まりの過程において、当事者が法に基づいて権利を主張した場合、国務院商標管理部門は、事件処理の必要性に応じて、商標の著名性について認定(確認)を行うことができる。

商標民事事件、商標行政事件または不正競争事件の審理の過程において、当事者が法に基づいて権利を主張した場合、最高人民法院が指定する人民法院は、事件審理の必要性に応じて、商標の著名性について認定を行うことができる。

商標の著名性は、当事者の請求に基づき、商標関連事件の処理において認定を要する事実として確認されなければならない。商標の著名性を認定するにあたっては、次の要素を総合的に考慮しなければならない。

(一)関係公衆における当該商標の知悉度。

(二)当該商標の使用の継続期間、方式および地域的範囲。

(三)当該商標に関する一切の宣伝活動の継続期間、程度および地域等範囲。

(四)当該商標が保護を受けた記録。特に著名商標として保護を受けた記録。

(五)当該商標が著名であることのその他の要素。

第六十四条

生産経営者は、「著名商標」の文字を商品、商品の包装もしくは容器に付してはならず、また、広告宣伝、展示会その他の商業活動において使用してはならない。

前項の規定に違反した場合は、商標執行部門が是正を命じ、10万元以下の過料に処する。

第六十五条

商標代理機構および商標代理従事人員は、誠実信義の原則に従い、法律および行政法規を遵守し、職業倫理および執業規律を遵守し、勤勉尽責の義務を履行し、委託者の適法な権益を維持しなければならず、国家の利益、社会の公共の利益または他人の適法な権益を損なう行為を実施したり、委託者が国家の利益、社会の公共の利益または他人の適法な権益を損なう行為を実施するのを幇助したりしてはならない。

商標代理機構は、委託者の委託に従って商標登録出願またはその他の商標事項を処理しなければならない。代理の過程において知得した委託者の商業秘密について、守秘義務を負う。委託者が出願する商標登録に、本法に規定する登録を認めない事由が存在する可能性がある場合は、商標代理機構は、委託者に明確に告知しなければならない。

商標代理従事人員は、商標代理機構の指名に基づいて商標代理業務を引き受けなければならず、みずから委託を受けてはならない。商標代理従事人員は、同時に2以上の商標代理機構において商標代理業務に従事してはならない。商標代理従事人員は、その署名して処理した商標代理業務について責任を負う。

商標代理機構は、当該機構およびその商標代理従事人員の関連情報を国務院商標管理部門に登録のため届け出なければならない。各級の商標管理業務および商標執行を掌る部門は、商標代理機構および商標代理従事人員に対する管理を強化しなければならない。

第六十六条

商標代理業界組織は、商標代理業界の自律性組織である。

商標代理業界組織は、定款の規定に従い、会員の受け入れ要件を厳格に執行し、業界の自主規制を強化し、業界自主規制規範および懲戒規則を制定し、業務研修ならびに職業倫理および執業規律の教育を展開し、会員が法および規則に従って商標代理業務に従事するよう組織誘導し、業界のサービスレベルを絶えず向上させ、業界自主規制規範に違反した会員に対して懲戒を実施しなければならない。商標代理業界組織は、会員の受け入れおよび懲戒の実施状況について、適時に社会へ公表しなければならない。

第六十七条

商標代理機構に次の各号に掲げる行為のいずれかが存在した場合は、商標執行部門が期限を定めて是正を命じ、1万元以上10万元以下の過料に処し、情状が重い場合は、10万元以上20万元以下の過料に処する。直接責任を負う主管人員およびその他の直接責任人員に対しては警告を与え、かつ5000元以上5万元以下の過料に処し、情状が重い場合は、5万元以上10万元以下の過料に処する。

(一)商標事項の処理の過程において、法律書類、印章、署名を偽造、変造し、または偽造、変造された法律書類、印章、署名を使用したとき。

(二)欺瞞、おとりまたは他の商標代理機構を誹謗中傷する等の手段により、商標代理業務を誘致したとき。

(三)同一の商標事件において、利益相反のある双方の当事者から委託を受けたとき。 (四)委託者が登録を出願する商標が、本法第十五条、第十六条第一項、第十九条、第二十一条、第二十二条、第二十四条に規定する事由に該当することを知り、または知るべきであったにもかかわらず、なおその委託を受けたとき。

(五)本法第二十五条の規定に違反し、または本法第五十四条に規定する事由が存在するとき。

(六)その他の不正な手段により、商標代理市場の秩序を乱したとき。

商標代理機構に前項に規定する行為が存在し、情状が重い場合は、国務院商標管理部門は、その商標代理業務の受理を停止することを決定し、これを公告することができる。

商標代理機構が法に基づいて登録の届出を行わなかった場合は、商標執行部門が期限を定めて是正を命じる。期限内に是正しない場合は、1万元以上5万元以下の過料に処する。 商標代理機構が誠実信義の原則に違反し、勤勉尽責の義務を履行せず、委託者の適法な利益を侵害した場合は、法に基づいて民事責任を負わなければならず、かつ商標代理業界組織が定款の規定に従って懲戒を実施する。

第六十八条

商標代理従事人員に次の各号に掲げる行為のいずれかが存在した場合は、商標執行部門が期限を定めて是正を命じ、警告を与え、かつ5000元以上5万元以下の過料に処する。情状が重い場合は、5万元以上10万元以下の過料に処する。

(一)みずから委託を受けて商標代理業務を処理したとき。

(二)同時に2以上の商標代理機構において商標代理業務に従事したとき。

(三)その他、商標代理市場の秩序を著しく乱す行為を行ったとき。

第六十九条

国外における商標登録の審査審理または商標事件の処理の過程において、商標が中国国内において関係公衆に広く知られていることを証明する必要がある場合は、当事者の請求に基づき、国務院商標管理部門は本法第六十三条の規定に従って商標の著名性について認定を行うことができる。

欺瞞等の不正な手段により中国国内の委託者のために国外の商標登録出願またはその他の商標事項を処理し、委託者の利益または国家の利益、社会の公共の利益、他人の適法な権利利益を損なった場合は、本法第六十七条の規定に従って処理し、処罰する。

第七十条

公衆を誤認させる方式による登録商標の使用、登録商標専用権の侵害等の違法行為に対しては、いかなる企業/団体または個人も、商標管理業務および商標執行を掌る部門に告訴または通報(告発)する権利を有する。

第八章 登録商標専用権の保護

第七十一条

登録商標の専用権は、登録が査定された商標および査定された指定商品の範囲内に限られる。

第七十二条

次の各号に掲げる行為のいずれかを行うことは、いずれも登録商標専用権の侵害に該当する。

(一)商標登録人の許諾を得ることなく、同一の商品についてその登録商標と同一の商標を使用したとき。

(二)商標登録人の許諾を得ることなく、同一の商品についてその登録商標と類似する商標を使用し、または類似の商品についてその登録商標と同一もしくは類似の商標を使用して、混同を生じさせやすいとき。

(三)登録商標専用権を侵害する商品を販売したとき。

(四)他人の登録商標の標章を偽造し、無断で製造し、または偽造、無断製造された登録商標の標章を販売したとき。

(五)商標登録人の同意を得ることなく、その登録商標を付け替え、かつ当該商標を付け替えた商品を再び市場に投入したとき。

(六)他人の登録商標専用権を侵害する行為に対して、故意に便宜の条件を提供し、他人が登録商標専用権を侵害する行為を実施するのを手助けしたとき。

(七)他人の登録商標専用権にその他の損害を与えたとき。

第七十三条

登録商標に含まれる当該商品の一般的名称、図形、型式、または商品の種類、性質、品質、主要原材料、機能、用途、重量、数量、価値、地理的所出(原産地)およびその他の特徴を直接表示するもの、または含まれる地名について、登録商標専用権者は、他人の正当な使用を禁止する権利を有しない。

三次元標識、色彩の組み合わせ、音、動的標識等の登録商標に含まれる商品自体の性質から生じる形状、色彩の組み合わせ、音、動的効果等、技術的効果を得るために必要なもの、または商品に実質的な価値をもたらすものについて、登録商標専用権者は、他人の正当な使用を禁止する権利を有しない。

専ら提供する商品の用途、適用対象、応用シナリオ等の情報を指示するため、または真実の出所を示すために、関連する登録商標を使用する場合、登録商標専用権者は、他人の正当な使用を禁止する権利を有しない。ただし、混同を生じさせやすい場合を除く。

商標登録人が商標登録を出願する前に、他人がすでに同一の商品または類似の商品について、商標登録人に先んじて登録商標と同一または類似し、かつ一定の影響力を有する商標を使用していた場合、登録商標専用権者は、当該使用者に対し、元の使用範囲内において当該商標を引き続き使用することを禁止する権利を有しない。ただし、適切な区別のための標識を付加するよう求めることができる。

第七十四条

本法第七十二条に掲げる登録商標専用権を侵害する行為のいずれかが存在し、紛争が生じた場合は、当事者が協議して解決する。協議を望まない場合、または協議が調わない場合は、商標登録人または利害関係人は、人民法院に訴えを提起することができ、また、商標執行部門に処理を請求することもできる。

商標執行部門が処理を行うに際し、侵害行為の成立を認定したときは、直ちに侵害行為を停止することを命じ、侵害商品および主として侵害商品の製造、登録商標標章の偽造に用いられた工具を没収する。違法経営額が5万元以上の場合は、違法経営額 の 5倍以下の過料を併科することができ、違法経営額がないか、または違法経営額が5万元に満たない場合は、25万元以下の過料を併科することができる。5年以内に2回以上商標侵害行為を実施した場合、またはその他の重大な情状がある場合は、加重処罰(従重処分)をしなければならない。登録商標専用権を侵害する商品であることを知らずに販売した場合において、当該商品が自己の適法に取得したものであることを証明し、かつ供給者を明示できたときは、商標執行部門が販売の停止を命じる。

登録商標専用権の侵害にかかる賠償額の争いについて、当事者は商標執行部門に調停を請求することができ、また、《中華人民共和国民事訴訟法》に基づき人民法院に訴えを提起することもできる。商標執行部門による調停を経ても当事者間で合意に達しなかった場合、または調停書の発効後にこれを履行しなかった場合は、当事者は《中華人民共和国民事訴訟法》に基づき人民法院に訴えを提起することができる。

第七十五条

登録商標専用権を侵害する行為について、商標執行部門は法に基づいて取り締まりを実施する権利を有する。

登録商標専用権の侵害が犯罪の疑いがある場合は、商標執行部門は、法に基づいて適時に公安機関に移送して処理させなければならない。法に基づいて刑事責任を追及する必要がないか、または刑事罰を免除されるが、行政処分を科すべきであるものについては、公安機関、人民検察院、人民法院は、適時に事件を商標執行部門に移送して法に基づいて処理させなければならない。公安機関、人民検察院、人民法院が、商標執行部門および商標登録管理業務を掌る部門に対し、専門的なサポート、認定意見の提供および侵害物品の無害化処分等の協力を要請した場合は、関連部門は適時に協力しなければならない。

第七十六条

商標執行部門は、すでに取得した違法容疑の証拠または告訴通報に基づき、他人の登録商標専用権を侵害した疑いのある行為に対して取り締まりを実施するときは、次の職権を行使することができる。

(一)関係当事者に質問し、他人の登録商標専用権の侵害に関連する状況を調査すること。

(二)当事者の侵害活動に関連する契約、送り状、帳簿、領収書、書類、記録、業務書簡電報、視聴覚資料、電子データおよびその他の関連資料を閲覧し、複製すること。

(三)当事者が他人の登録商標専用権を侵害する活動に従事した疑いのある場所に対して、現場検査を実施すること。

(四)侵害活動に関連する物品を検査すること。他人の登録商標専用権を侵害する物品であることの証拠がある物品については、差し押さえまたは没収することができること。

(五)証拠が滅失するおそれがあり、または後に取得することが困難な状況においては、先行して登記保存をすることができること。

商標執行部門が法に基づいて前項に規定する職権を行使するときは、当事者は協力、配合しなければならず、拒否、阻害してはならない。

商標侵害事件の取り締まりの過程において、商標の権利帰属に争いがある場合、または権利者が同時に人民法院に商標侵害訴訟を提起した場合は、商標執行部門は事件の取り締まりを中止することができる。中止の事由が解消した後は、事件の取り締まり手続を再開または終結しなければならない。

第七十七条

登録商標専用権の侵害にかかる賠償額は、権利者が侵害されたことにより被った実際の損失、または侵害者が侵害により得た利益に基づいて確定する。権利者の損失または侵害者が得た利益を確定することが困難な場合は、当該商標の使用許諾料の倍数を参照して合理的に確定する。登録商標専用権を故意に侵害し、情状が重い場合は、上記の方法により確定された額の1倍以上5倍以下において賠償額を確定することができる。

人民法院は、賠償額を確定するため、権利者がすでに尽力して立証し、かつ侵害行為に関連する帳簿、資料が主として侵害者によって管理されている状況下においては、侵害者に対し、侵害行為に関連する帳簿、資料の提供を命じることができる。侵害者が提供を拒み、または虚偽の帳簿、資料を提供した場合は、人民法院は権利者の主張および提供した証拠を参考にして賠償額を判定することができる。

権利者が侵害されたことにより被った実際の損失、侵害者が侵害により得た利益、登録商標の使用許諾料を確定することが困難な場合は、人民法院が侵害行為の情状に基づき、500万元以下の賠償の支払いを判決する。

賠償額には、権利者が侵害行為を制止するために支払った合理的な費用も含めなければならない。

人民法院が商標紛争事件を審理するにあたり、権利者の請求に基づき、登録商標の模倣商標に該当する商品については、特殊な事情がある場合を除き、廃棄を命じる。主として模倣品の製造に用いられた材料、工具については、補償をすることなく廃棄を命じる。または、特殊な事情がある場合には、補償をすることなく、前述の材料、工具が商業ルートに流入することを禁止するよう命じる。

登録商標を冒用した商品は、単に当該模倣商標を取り除いただけで商業ルートに流入させてはならない。

第七十八条

登録商標専用権者が賠償を請求し、被疑侵害者が「登録商標専用権者が登録商標を使用していない」ことを理由として抗弁した場合、人民法院は登録商標専用権者に対し、侵害行為が発生する前3年以内に当該登録商標を実際に使用したことの証拠の提供を求めることができる。登録商標専用権者が、それ以前の3年以内に当該登録商標を実際に使用していたことを証明できず、かつ侵害行為によってその他の損失を被ったことも証明できない場合は、被疑侵害者は賠償責任を負わない。

登録商標専用権を侵害する商品であることを知らずに販売した場合において、当該商品が自己の適法に取得したものであることを証明し、かつ供給者を明示できたときは、賠償責任を負わない。

第七十九条

商標登録人または利害関係人が、他人がその登録商標専用権を侵害する行為を現に実施し、またはまさに実施しようとしていることの証拠を有し、適時に制止しなければその適法な権利利益に回復困難な損害を受けるおそれがある場合は、法に基づいて起訴前に人民法院に対し、関連行為の停止の命令および財産保全(仮差し押さえ等)の措置を講じるよう申請することができる。

第八十条

侵害行為を制止するため、証拠が滅失するおそれがあり、または後に取得することが困難な状況においては、商標登録人または利害関係人は、法に基づいて起訴前に人民法院に証拠保全を申請することができる。

第八十一条

悪意の通謀、単独での基本的事実の捏造等の方式により商標訴訟を提起した者に対しては、人民法院が法に基づいて処罰を科す。相手方当事者に損失を与えた場合は、法に基づいて民事責任を負わなければならない。

第八十二条

商標の登録、管理および執行等の業務に従事する公職人員は、厳正に法を執行し、清廉自律を守り、職務に忠実であり、文明的なサービスを提供しなければならない。

商標登録管理業務を掌る部門および商標執行を掌る部門ならびに商標の登録、管理および執行等の業務に従事する公職人員は、商標代理業務および商品の生産経営活動に従事してはならない。

第八十三条

商標登録管理業務を掌る部門および商標執行を掌る部門は、内部監督制度を確立健全化し、商標の登録、管理および執行等の業務に従事する公職人員が法律、行政法規を執行し、規律を遵守している状況について、監督検査を行わなければならない。

第八十四条

商標の登録、管理および執行等の業務に従事する公職人員が、本法の規定に違反して、商標代理業務、商品の生産経営活動に従事した場合、または職権を濫用し、職務を怠り、職権を私的に行使して不正を働き、次の各号に掲げる状況のいずれかが存在した場合は、法に基づいて処分を科す。

(一)商標登録の要件に適合しないにもかかわらず商標登録を認め、悪影響を及ぼしたとき。

(二)法に基づいて是正命令、行政処分等の決定を下すべきであるにもかかわらず、これを下さなかったとき。

(三)違法行為を発見し、または告訴通報を受けながら、法に基づいて商標管理執行の職責を履行しなかったとき。

(四)その他、法に基づいて処分を科すべき行為を行ったとき。

第八十五条

本法の規定に違反し、犯罪を構成する場合は、法に基づいて刑事責任を追及する。

第九章 附則

第八十六条

商標登録を出願し、およびその他の商標事項を処理する場合は、手数料を納付しなければならない。具体的な料金基準は別途定める。

第八十七条

本法は202711日から施行する。

本法の施行前にすでに登録されている商標は、引き続き有効とする。

 

 

※本資料は康信が作成した仮訳となります。康信では情報データ解釈などをできる限り正確に記載するよう努力しておりますが、本資料で提供した情報などの正確性について康信が保証するものではないことを予めご了承の程宜しくお願いいたします。


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