2022年中国の新エネルギー車分野における特許データの統計分析
1.2022年、中国の新エネルギー車の技術イノベーションと特許出願は、主に純電気自動車(BEV)の三大コア技術(バッテリー、モーター、電子制御)に関わった。
2022年、中国の新エネルギー車の生産・販売は世界一となり、新エネルギー車の技術開発は政策駆動から市場駆動へと徐々に変化している。動力用バッテリー技術の進歩とインフラ建設の改善なども、中国の新エネルギー車産業の急速な発展を促進し、新エネルギー車分野の知的財産権保護も同時に発展している。新エネルギー車技術に関わる特許の技術に、動力用バッテリーシステム、駆動モーターシステム、充電システムの割合は計71.89%もある。特に動力用バッテリーに関わる特許公開件数の割合は2021年の44.30%から49.23%に増加した。即ち、我国の2022年新エネルギー車関連の技術イノベーションは、主に動力用バッテリーに関わった。
2.2022年動力用バッテリーシステムに関わる中国特許公開件数(イノベーション主体別)の統計によると、自主開発企業は新エネルギー車の分野で集合的に努力し、トップ10で8つの席を占めており、全体の特許実力は主導的な地位を占めている。
自主開発企業は新エネルギー分野の技術開発能力が全面的に向上し、重要なコアコンポーネントについて独立した研究開発能力がある。2022年動力用バッテリーシステムに関わる中国特許公開件数(イノベーション主体別)の統計によると、トップ5のイノベーション主体はすべて中国国内企業である。動力用バッテリーサプライヤーのCATL、SVOLT、LGエナジーなどの特許公開件数が大幅に増加、Geely や Great Wall などの自動車メーカーは新エネルギー分野での展開を加速させており、特許公開件数のランキングは大幅に上昇、バッテリー交換技術に専念する奥動新能源は、特許公開件数で206.51%の増加率に達し、そのランキングが10位も上昇した。CALB、億緯動力、AION などの自主開発企業は、新エネルギー車の特許公開件数トップ 20にランクされた。
3. 2022年動力用バッテリーシステムに関わる中国特許公開件数(イノベーション主体別)の統計によると、中国国内の動力用バッテリー企業は引き続き技術的優位性を強化し、CATLは特許開示数で第1位を占めており、SVOLT、CALB、億緯動力などは上位にある。
2022 年には、中国の動力用バッテリーの搭載容量(実際に機械や車に搭載された数量)は、世界市場シェアの 50% 以上も占めるようになった。動力用電池バッテリーに関わる特許公開件数のトップ10 のうち、中国国内企業は 九つ席を占めており、技術的優位性が明らかである。CATLとSVOLTは、特許公開件数が1,000件を超え、それぞれ第一位と第二位を占めている。また、トップ10にランクされた外国企業はLGエナジーのみあるが、第三位を占めている。さらに、トップ10にランクされた自動車メーカはBYDと恒大新能源のみである。
4.2022年駆動モーターシステムに関わる中国特許公開件数(イノベーション主体別)トップ10には、中国国内企業が6つ席を占め、トヨタ、デンソー、シェフラー、ボッシュなどの外資系企業が引き続きこの分野に進出している。
2022年駆動モーターシステムに関わる中国特許公開件数(イノベーション主体別)の統計によると、中国国内企業の研究開発能力が引き続き強化され、トップ10で6つ席を占めた。Geely、トヨタなどの大手自動車メーカーの他、威睿電動汽車技術有限公司とHuawei Digital Powerの2社の自動車技術新興企業がトップ10にランクされた。
5.2022年充電システムに関わる中国特許公開件数(イノベーション主体別)の統計によると、奥動新能源は依然としてトップ1であり、Geely、ステートグリッドなどは上位を占めた。
2022年充電システムに関わるイノベーション主体の統計によると、バッテリー交換技術に強力な優位性がある奥動新能源とGeelyは、それぞれ第一位と第二位を占めた。ステートグリッド は新エネルギー車の充電施設の研究開発を強化し、特許出願を増やし、特許の公開件数は 110 件に達した。また、特許公開件数のトップ10のうち、中国国内企業は九つ席を占めており、技術優位性が明らかである。
出所:自動車知的財産権Wechat公式アカウント