三年不使用取消審査ルールの変更
時間: 2025-06-12 李麗芳 アクセス数:

最近、中国で話題になった不使用取消請求の審査ルール変更の経緯について紹介したいと思います。


皆さんご存知の通り、中国の商標出願件数と登録件数は膨大で、2024年には出願件数は年間700万件前後、登録件数は500万件近くというレベルを維持しています。中国での有効な商標登録件数は、2024年末までに4900万件以上に達していました。その中に、実際に使用されていない商標が大多数を占めています。


存続の商標登録件数の膨大さにより、商標出願が他人の先行商標より拒絶される可能性が高く、大体48%くらいです。すなわち、半分の出願が拒絶されることになります。だから、先行商標の障害を排除する方法としては、不使用取消請求は一番多い選択肢になりました。


統計データによりますと、2022年に不使用取消請求の件数は年間10万件ほどでしたが、2023年に20%を急増し、12万件以上に達しました。登録商標への不使用取消請求件数の激増の原因としては、三つが有ると思います。一つ目の原因は、2023年から中国商標局が拒絶査定不服審判請求に関する審理中止制度を回復したことです。その前に、先行商標に対する不使用取消請求の結果を待たずに、出願商標の拒絶査定不服審判を直接審査される可能性が高いです。2023年以降、商標出願の拒絶査定不服審判請求において、先行商標への不使用取消請求の審決を待つよう、不服審判についての審理中止を請求できます。以前より、現在は不使用取消請求の効果が向上したため、不使用取消請求の件数が増えてきました。二つ目の原因は、近年悪意による不使用取消請求が増えた状況があります。例えば、同一商標に対して、繰り返して不使用取消を請求したことなど。三つ目の原因は、同意書についての審査の厳格化とのことです。以前、先行商標を排除する手段として、先行商標権利者からの同意書も考えられていましたが、2021年から同意書の審査がだんだん厳しくなっています。だから、不使用取消請求が先行商標の障害を排除できるほぼ唯一の手段となりました。


不使用取消請求の激増や悪意による不使用取消請求を制限するために、中国商標局は2024年から不使用取消請求の審査ルールを変更して始めました。2024年以前、商標登録者のみ不使用取消請求には立証責任を負っていましたが、請求人にはほとんど立証責任がありませんでした。2024年6月ごろに、商標局は不使用取消請求についての補正令を集中的に発行しました。補正内容は、商標登録者の情報、プラットフォームでの商標の使用状況の調査結果を追加で提出させるとのことです。補正対象は明らかに悪意のある請求人です。例えば、同一商標に対して繰り返し不使用取消審判を請求したり、同じ名義で大量の商標に対して不使用取消審判を請求したりするなどです。


今年の2月に、商標局は二回目の補正令が発行しました。第一回の補正内容に、二つの要求が追加されました。一つは、不使用取消請求人に関連する商標出願あるいは商標拒絶査定不服審判の記録を提供するように要求することです。もう一つは、プラットフォームでの調査結果に対象商標の使用記録が見ありました場合、追加説明が必要であることです。今回補正令の対象は悪意のある請求人だけではありません。

審理ルールが頻繁に変更されたことによって、請求人および代理人に迷惑をかけました。


2025年5月26日に、商標局は不使用取消請求のルールを明確にしました。以前より、変更点は下記三つがあります。


1.対象商標に関する調査証拠を提出する必要があります。

調査証拠としては、、商標登録者の基本情報、事業範囲、経営状況、存続状況、商標の登録状況などが含まれるべきです。また、商標使用状況の調査結果、ネット上での調査結果あるいは現地調査結果が含まれます。


2.対象商標に関する調査方式を規定しています。

調査方式としては、登録人のホームページ、ECサイト、登録人のウィーチャットの公式アカウント、生産経営場所での調査などが含まれています。


3.不使用取消請求書に承諾内容を追加しました。

承諾内容は、「請求人及び代理人は国家知識産権局に対し、虚偽資料を提出したり、事実を隠したりする行為が、誠実信用を違反する行為に該当することを認識します。申告した事項と提出資料の真実性()、正確性、完全性を承諾します。」となります。


今後、不使用取消請求には、事前の使用調査が必要であり、請求人にとって、立証責任も負うべきであることを十分にご注意ください。

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