発明特許出願の実体審査段階における電話インタビューへの対応
時間: 2023-02-22 朱晶晶 アクセス数:

 近年、中国国家知識産権局は、高品質な審査をより効率的に行うために、優先審査などの措置をとった。また、審査の実務上、集中的な面接、企業側主催の審査官向けの技術説明会のようなコミュニケーション方式も用いられる。ただし、外国出願人にとって、手続きや言語などの問題があるので、実際には、これらの措置を利用できない場合がある。ここで、審査官からの電話インタビューを適当に対応することは、外国出願の審査速度を速める1つの手段となった。

 

 審査を迅速に行うために、審査官は、電話連絡により案件を直接代理人とコミュニケーションすることが多くなってきており、審査意見通知書を発行する時間を節約しつつ、審査官の意見を直接かつ明確的に伝えることができ、代理人による案件の解説から問題点を迅速に把握し、審査効率を大きく向上させるため、代理人及び出願人から歓迎される。

 

 一、電話インタビューのタイミング及びその内容

 発明特許が実体審査段階に入った後の如何なる時間帯において、審査官からの電話を受ける可能性がある。審査意見通知書の正確性を保証するように、審査意見通知書を発行する前に、不明確の欠陥に係わる簡単な問題について確認を行う場合がある。また、審査意見通知書を発行した、或いは、出願人が審査意見通知書を応答した後に、審査官の意思を理解させ、出願人の応答の正確性を高めるために、審査官は、電話で直接連絡してコミュニケーションすることにより、審査意見通知書の回数を減らす効果を奏する。電話インタビューの内容については、不明確である問題が比較的に多いが、新規性、進歩性のような内容も議論される。

 

 二、電話インタビューへの対応

  特許事務所の弁理士は、審査官からの電話意見を受け取ると、出願書類を参照して、審査官に指摘された問題を迅速に理解し、案件内容に基づいて、審査官と議論するとともに、電話の内容を記録して、電話終了する前に、その記録した内容を審査官と再度確認する。そして、電話インタビューの内容及び弁理士の応答案をまとめて、出願人に転送する。出願人が確認してから、具体的な指示に基づいて、補正又は反論を行う。電話インタビューは、正式な審査意見通知書と異なるため、電話インタビューを応答する過程では、出願人とのコミュニケーションも非常に重要である。特に、外国出願人の場合、出願人の国の言語を使用して、中国の審査実務の経験に基づいて、審査官の意見及び弁理士の提案を出願人に明確に伝える必要がある。出願人の指示を受け取った後、当該指示により審査官に指摘された欠陥を解決できるか否かを判断し、必要であれば、正式に応答する前に、再び、審査官と電話で確認して、応答の正確性を高める。


 三、電話インタビューの有効利用

 実務において、できるだけ早く特許権を得るために、審査意見通知書に応答する際に、弁理士は、審査官と意思疎通を図る必要のある問題について、正式的に通知書を応答する前に、審査官と電話でコミュニケーションを取ることができる。


 出願人も、具体的な案件について、審査官と議論を行うために、自ら審査官に電話をかけてもよい。


 もちろん、審査官は、電話で進歩性等のような実体的な問題に対して議論することを拒否する場合もある。この場合、意見陳述書によってさらに理由を主張しなければならない。

 

 以上、審査官からの電話インタビューへの対応方法について簡単にまとめた。現在、審査品質、審査効率を高めることが促進されており、審査官からの電話インタビューに対して積極的に対処したり、審査官に自ら電話をかけたりすることは、特許権をより効率的に獲得することに寄与できると思っている。


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