商標法第50条の適用について
時間: 2020-09-25 アクセス数:

商標法第50条には「登録商標が取消されたとき、無効宣告されたとき、又は期間満了しても更新されないときは、取消、無効宣告又は抹消の日から1年以内は、商標局は当該商標と同一又は類似する商標の登録を認めない」と規定している。


とんな商標が取消され、無効宣告され、又は抹消されることになるでしょうか。


取消される場合:登録商標が使用許可された商品の通用名称となり、又は正当な理由なく継続して3年間使用しなかったときは、如何なる単位又は個人も、商標局に当該登録商標の取消を請求することができる。


無効宣告される場合:登録された商標が、この法律の第4条、第10条、第11条、第12条、第19条第4項の規定に違反している場合、又は欺瞞的な手段若しくはその他の不正な手段で登録を得た場合は、商標局は当該登録商標の無効宣告を行う。その他の単位又は個人は、商標評審委員会に当該登録商標の無効宣告を請求することができる。


既に登録された商標が、この法律の第13条第2項及び第3項、第15条、第16条第1項、第30条、第31条、第32条の規定に違反した場合、商標の登録日から5年以内に、先行権利者又は利害関係者は、商標評審委員会に当該登録商標の無効宣告を請求することができる。悪意のある登録であるときは、馳名商標所有者は、5年間の期間制限を受けない。


抹消される場合:登録商標の有効期間が満了し、継続して使用する必要があるときは、商標登録者は、期間満了前の12ヶ月以内に規定に従って更新手続を行わなければならない。この期間に行うことができないときは、6ヶ月の延長期間を与えることができる。期間が満了しても更新手続を行わないときは、当該登録商標を取消す。


第50条の立法の目的は次の通りである。原則上、登録商標が取消されたとき、無効宣告されたとき、又は期間満了しても更新されないときは、権利消滅することになり、後願の商標登録出願を障害するはずがない。しかし、権利消滅したにもかかわらず、元の登録者の取消された、無効と宣告された、又は期間満了しても更新されない商標に係る商品又は役務がまだ市場から撤退しておらず、その商標の影響力などは一定の期間内に関連公衆中に残っている可能性があるため、後願商標が登録・使用すると、消費者に混同・誤認を生じさせ、消費者の利益を損ずる可能性がある。このような事態を防ぐために、一年間の隔離期間を設定した。


しかし、上記の登録商標が取消されたとき、無効宣告されたとき、又は期間満了しても更新されないとき、いずれも一年間の隔離期間を設定しなければならないでしょうか。そうではない。


例外として、3年間連続して使用されないことで取消された登録商標は、3年間連続して使用されていないため、実際には一年の隔離期間を満たした。よって、『商標審査及び審理基準』には「正当な理由なく3年間連続して使用されないことで取消された登録商標は、不服審判期間が過ぎた後に、元の登録者が不服審判を請求しなければ、引用しなくてもかまわない」と規定している。すなわち、3年間連続して使用されないことで取消された登録商標は商標法第50条に適用せず、後願の商標は当該登録商標より拒絶されることがない。


それ以外に、下記の情状は例外に入れていないが、事実上には第50条の規定を適用しないはずである。


一、商品の通用名称となった登録商標。原則上、他人の後願の同一商標が商標法第11条の規定を適用し識別力がないと認定し、拒絶すべきであり、商標法第50条の規定を適用する必要がない。


二、商標法第4条違反で無効宣告された登録商標。2019年商標法改正により、第4条に「使用を目的としない悪意のある商標登録出願は、拒絶されなければならない」との規定が増加された。先行の登録商標が第4条違反で無効宣告された場合、当該商標は使用を目的としないと認定されたので、後願の商標と混同する可能性がない。よって、3年間連続して使用されないことで取消された登録商標と同様に、第50条の規定を適用しないはずである。


三、悪意による抜け駆け登録に該当することで無効宣告された登録商標。無効審判請求において、商標法第13条第2項及び第3項、第15条、第32条の規定を適用し、悪意による抜け駆け登録に該当すると認定された登録商標も、第50条の規定を適用しないはずである。


先行の冒認商標が無効された後に真の権利者は商標登録出願をするのは一般的である。先行商標が悪意による抜け駆け登録に該当することで無効宣告されたにもかかわらず、後願の商標は商標法第50条の規定に違反することで拒絶されるため、拒絶査定不服審判を請求する、又は再出願を提出することで権利取得の目的を果たしなければならない。仮に偶然第三者による後願の同一または類似商標が存在していれば、真の権利者が権利取得できないという苦しい立場になり、権利を守るための時間、お金コストも増加した。


もし既に確定された審決において悪意による抜け駆け登録に該当すると認定された商標の商標権は、直接に真の権利者へ移転できれば、権利者にとってはとてもいいことになる。次回の商標法改定のときこのような提案が採用されるように期待しましょう。

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