「VOICE OF CHINA」 VS 「NEW SONGS」について
「VOICE OF CHINA」というテレビ番組は、中国でとても有名なテレビ番組であったが、北京知識産権法院の仮処分の裁定により、「VOICE OF CHINA」という番組名称を使用できなくなった。
本件において、浙江唐徳影視株式有限公司(以下、「唐徳社」と称す)は、「VOICE OF CHINA」に関する知的財産権を有していることを主張し、上海燦星文化伝播有限公司(以下、「燦星社」と称す)が「VOICE OF CHINA」という番組名称を使用することと、番組に関する宣伝行為を停止させることを求めた。唐徳社の主張には、燦星社の行為は、その商標権、著作権、著名サービスの特有名称などの知的財産権を侵害することと、不正競争行為に該当することが含まれている。
本件の権利主体と案件事情は、かなり複雑であるため、北京知識産権法院の疑難、複雑、重大案件として審理されている。以下、筆者の見方を述べたい。
テレビ番組の名称、内容、番組スタイルについて、その名称は、一体、著作権の保護対象に該当するか否か?筆者は、それが小説、歌などの名称と同様に、著作権を有していないと思っている。そして、<著作権法>の規定により、テレビ番組の内容は、著作権を有している。但し、番組スタイルは、何を指しているか、また、番組の内容とどのような区別があるかについて、はっきりしていない。
燦星社が唐徳社の著作権を侵害しているか否かを判断するために、まず、唐徳社が外国の著作権者であるホーランドのTALPA社から何を購入したかを考えるべきである。
TALPA社は、「VOICE OF……」シリーズのテレビ番組を作成し、その著作権を有している。唐徳社はTALPA社から、一体、何を購入したか?筆者は、その契約の標的が、当該番組の内容、或いは、その番組スタイルではなく、テレビ番組を作成する際の様々な指導であると思っている。
従って、燦星社は、TALPA社の「VOICE OF……」シリーズのテレビ番組の内容をそのまま利用していなく、TALPA社の番組スタイルの書面資料を不正に利用したこともないため、燦星社の行為は、著作権侵害には該当しないと思っている。よって、北京知識産権法院の仮処分の裁定は、著作権以外の権利侵害を考慮して発行される可能性が高い。