宝格麗BVLGARI商標馳名認定案まとめ
時間: 2017-12-22

背景

 当所クライアント様の宝格麗公司(BULGARI S.P.A.)が2015年8月7日に上海忠国投資管理有限公司の第10068630号「争议商标.png」商標に対して第44類役務の「頭髪に関する理容・美容、美容、マッサージ、美容師、アロマテラピーの提供、医療保健、サウナの提供、動物飼養、庭設計」において、商標無効審判を請求した。


代理過程

 本件の係争焦点が主に以下のようである。1.係争商標の「争议商标.png」が請求人の先行の馳名である引用商標の「引用商标.png」を複製又は模倣することになり、公衆に混同され請求人の利益を損害するか否か。2.係争商標「争议商标.png」がその他の不正手段で登録を取得したものであるか否か。

 係争焦点1について、主な問題点は以下のようである。1)請求人の第3811212号商標の「引用商标.png」が係争商標出願日(2011年10月14日)の前に既に中国で登録した馳名商標であることを証明できる証拠を収集すること。2)係争商標が引用商標を複製・模倣していることを証明すること。3)係争商標の第44類における指定された役務項目が引用商標の第14類における指定された商品項目と一定の関連性があるので、公衆に混同され、請求人の利益を損害していることを証明すること。

1)について、当所商標チームが、宝格麗公司のイタリアローマの法務部及び上海の同僚と連携して、商標使用、宣伝、知名度などの証拠を収集した。また国家図書館において2008年から2014年まで、宝格麗公司及び「宝格麗」、「BVLGARI」商標に関わる評価と情報を1300余編も収集し、正式な国家図書館検索報告を作成した。各証拠は「引用商标.png」商標が中国において長期的で、大量且つ広範囲の使用と知名度があることを証明できる。

 2)について、当所商標チームは、係争商標が引用商標の中国語部分を完全に含むことを論じ、係争商標が引用商標に対する複製・模倣であることを説明した。

 3)について、双方商標の指定役務項目と商品項目の消費者、所属業界の共通点などについて、双方の関連性を論じた。また、希釈化の視点から公衆に混同され、請求人の利益を損害する可能性があることを分析した。

係争焦点2について、主に非請求人の保有する商標における他人、特に請求人の顕著性のある商標と同一又は類似する商標を分析し、『商標法』第十条第1項の八及び第四十四条第1項の法律適用要件により、また先行判例を結びつけ、係争商標がその他の不正手段で登録を取得したことを論じた。


結果

 クライアント様の第3811212号商標の「引用商标.png」が「装飾品(ジュエリー)、時計」における馳名商標であることが認定された。


コメント

1. 行政案件、特に訴訟になっていない段階において馳名商標の認定が極めて困難である。

2. 本件の証拠収集方法が今後の案件において参考になれる。

3. その後の異議申立及び無効審判において、審査官が本件馳名商標認定の決定を参考することになるので、本件結果がクライアント様の商標に対する馳名認定、第三者商標に対する異議及び無効に直接に影響を与えることができる。

4. 「引用商标.png」における中国語と英語の両方とも馳名を認定されたので、類似商標に対する打撃に有利である。

5. クライアント様の今後の案件における知名度証明の挙証責任を軽減することができる。


参考文献

(一)参考法律:

『商標法』第十三条第三項,第四十四条第一項。

(二)参考資料:

先行判例。

 

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