通常、特許出願書類を作成する前に、技術書類における技術案について、先行技術調査を行う。このように、技術案の新規性や進歩性などの特許用件満たしているかを確認するとともに、最も近い先行技術に対応して意図的出願書類を作成することにより、授権率を向上させることができる。本稿において、先行技術調査の方法及びよく使用されているDBを紹介する。
一、中国国内でよく使用されている先行技術調査のデータベース及び使用方法
1.専利検索及び分析システム
専利検索及び分析システム(CNIPA)[1]は、国家知識産権局の特許調査公式サイトであり、アカウントを作成すれば、無料で使用できる。同システムで、一般検索、高級検索及びコマンドライン検索などの検索方式を使用できる。図1で示しているように、一般検索は、検索ボックスで直接検索キーワードを入力すれば検索できる。例えば、「スマートフォン」を入力すると、システムは「スマートandフォン」に基づいて検索を行う。図2は高級検索の画面であり、検索フィールドに発明の名称、要約、明細書、IPC番号などが含まれており、異なる検索要素を入力すれば精確な検索ができる。図3はコマンドライン検索の画面を示している。この検索において、検索式により特許の検索ができる。なお、先行技術調査を行う際に、高級検索又はコマンドライン検索で精確な検索を行うことを提案する。
図1 CNIPA一般検索の画面
図2 CNIPA高級検索の画面
図3 CNIPAコマンドライン検索の画面
2.専利情報サービスプラットフォーム
専利情報サービスプラットフォーム(CNIPR)[2]は、中国知識産権出版社が開発した特許データベース資源共有プラットフォームであり、中国国内の全ての特許情報を提供できる特許データベースである。また、そのデータ更新は国家知識産権局(CNIPA)公式サイトと基本的に同期である。特許情報サービスプラットフォームの検索方式は、一般検索と高級検索の二つがある。一般検索では、簡単な検索要素を入力すれば検索できる。一方、高級検索では、複数の検索入口があり、異なる類型の検索要素を入力することにより、更なる精確な検束結果を得られる。
特許情報サービスプラットフォームの高級検索の画面で「検索戦略」が提示されている。図4で示しているように、検索戦略をクリックすると、それぞれの検索フィールド、検索演算子の紹介が表示される。検索戦略を把握すれば、更に正確な先行技術調査ができる。
図4 専利情報サービスプラットフォームの検索画面
3.INNOJOYデータベース
INNOJOYデータベース[3]は、大為コンピュータソフトウェア開発有限公司が開発した特許調査プラットフォームであり、比較的に全面的な国内特許データをを提供することができる。但し、その国内特許データの更新は、国家知識産権局(CNIPA)のデータ更新より約一ヶ月遅延されている。INNOJOY データベースは使いやすいユーザーインターフェイスを備えており、ユーザーは全文を素早く閲覧し、関心のあるキーワードを素早く判断できる。また、INNOJOYデータベースにも簡易検索、フォーム検索、表現検索があり、検索方法は上記で紹介した「専利検索及び分析システム」「専利情報サービスプラットフォーム」と類似する。
図5 INNOJOYデータベースの検索画面
二、国外の先行技術調査でよく使用されているデータベース及び使用方法
国外の無料データベースは、「欧州特許庁」(Espacenet)、「PATENTSCOPE検索システム」などがある。
1.欧州特許庁(Espacenet)
欧州特許庁データベースのEspacenet[4]では、90余ヶ国/地域の全ての公開された特許出願を検索できる。検索の入口は、「特許検索(Espacenet)」と「クラシック特許検索(classic Espacenet)」の二つがある。図6で示しているように、欧州特許庁公式サイトに登録してから、「Searching for patents」欄で「Technical information」をクリックし、そして、「Espacenet-patent search」ページで「Espacenet」「classic Espacenet」を選択することができる。
図6 Espacenetの検索入口
図7は特許検索(Espacenet)の画面を示している。この画面で特許文献の番号、又は出願人、分類番号などの検索フィールドを直接入力することができる。図8はクラシック特許検索(classic Espacenet)の画面を示している。その中、スマート検索では、特許番号を直接入力することができ、高級検索では、複数の検索フィールド(名称、要約、優先権番号など)が提示されている。
図7 特許検索(Espacenet)の画面
図8 クラシック特許検索(classic Espacenet)の画面
2.PATENTSCOPE検索システム
PATENTSCOPE検索システム[5]は世界知的所有権機関の検索システムであり、国際特許出願文献の全文、PCT加盟国国、地域又は組織の特許文献を検索することができる。図9で示している検索画面に簡易検索ろ高級検索が含まれる。その中、簡易検索は、IPC分類番号、特許番号などの検索フィールドを含む。高級検索では、検索式を入力すれば検索ができる。PATENTSCOPE検索システムの検索方法は上記で紹介したデータベースの検索方法と類似し、様々な検索フィールドにより検索することである。
なお、PATENTSCOPE検索システムでは、PCT加盟国、地域又は組織の特許文献を検索できるため、国外先行技術調査により優れ、関連技術案に関わるキーワードを抽出して引用文献を検索することができる。
図9 PATENTSCOPE检索界面
三、まとめ
総じていえば、上記で紹介したよく使用されている国内外の先行技術調査データベースは、全て無料で使用することができる。特に、「欧州特許庁(Espacenet)と「PATENTSCOPE検索システム」は、多国の特許を検索することができるため、先行技術調査の際に、比較的に全面的で便利素敵に国外特許を検索することができる。
参考資料
[1]https://pss-system.cponline.cnipa.gov.cn/conventionalSearch
[2]http://search.cnipr.com/でアカウントを作成した後、無料で使用できる。但し、無料でダウンロードができない。
[3]http://www.innojoy.com/search/home.htmでアカウントを作成した後、無料で使用できる。但し、一日に無料で閲覧できる文献数が限れている。
[4] https://www.epo.org/searching-for-patents/technical/espacenet.html
[5] https://patentscope.wipo.int/search/en/search.jsf