ブルガリ商標異議申立案から「商標法」第30条の審理基準を検討
時間: 2022-09-01 林爽 アクセス数:

ブルガリ(宝格麗、BVLGARI)が1884年にイタリアのローマに創業した高級宝飾品ブランドである。138年の発展に渡って、中国及び全世界の消費者から好評を受け、中国国家知識産権局に馳名商標として認定されている。本稿では、宝格麗公司が提出した「三つの異議申立案」を紹介しながら、ブルガリ(BVLGARI)が馳名商標として認定されている第14類商品に対する「商標法」第30条の審判基準を分析してみる。


事例1

ブルガリ会社が第43539936号の「宝格逸」商標に対して異議を申し立てた。引用商標は第G1130519号「宝格麗」などの商標である。「宝格逸」と「宝格麗」とが最初の二つの漢字が全く同じであり、最後の「逸」と「麗」は発音が類似している。また、商標全体の外観も類似している。最終に、国家知識産権局は、双方の商標が類似商品での類似商標になっているので、「宝格逸」商標の登録を許可しないという判決を下した。


上記判決から見ると、三つの漢字より構成された商標について、二つの漢字が同じ、もう一つの漢字の発音が類似、且つ商標の全体的な外観も類似している場合、国家知識産権局は、後続の類似商標が消費者に誤認させることを防止するために、先行権利者の利益を優先的に保護する傾向にある。


事例2

ブルガリ会社が第44576928号の「BVLGUKSI」商標に対して異議を申してた。引用商標は第340247号「BVLGARI」などの商標である。「BVLGUKSI」と「BVLGARI」の両方とも、4つ又は4つ以上のアルファベットより構成されており、また、両方とも、最初の四つのアルファベットは「BVLG」であり、全く同じである。更に、両方とも、最後のアルファベットは「I」である。したがって、両方の商標文字の構成と全体的な外観が非常に類似している。最終に、国家知識産権局は、双方の商標が類似商標での類似商標になっているので、「BVLGUKSI」商標の登録を許可しないという判決を下した。


上記判決から見ると、4つ又は4つ以上のアルファベットから構成された外国語商標について、最初及び最後のアルファベットは複数が全く同じであり、全体的な外観が類似する場合、国家知識産権局は、先行権利者の利益を保護するために、後続の商標出願の登録を許可しない。


事例3

ブルガリ会社が第44430624号の「施蒂宝格麗泽尔達 STIEBEL GRIZELDA」商標に対して異議を申し立てた。引用商標は第G1130519号「宝格麗」などの商標である。「施蒂宝格麗泽尔達 STIEBEL GRIZELDA」商標に文字が多い、構成が複雑であるので、「宝格麗」の全体的な外観とはある程度で相違している。但し、それに「宝格麗」商標が完全に含まれている。また、「宝格麗」商標の顕著性と知名度が高いので、消費者に誤認させやすい。よって、国家知識産権局は、双方の商標が文字の構成が類似しているので、「施蒂宝格麗泽尔達 STIEBEL GRIZELDA」商標の登録を許可しないという判決を下した。


上記判決から見ると、双方の商標は全体的な外観にある程度の相違点があるが、先行商標の文字が後続の商標に完全に含まれており、また先行商標の顕著性と知名度が高い場合も消費者に誤認させやすいため、国家知識産権局は先行権利者の利益を保護するために、後続の商標の登録を許可しない。本稿の事例において、双方の商標の指定商品が類似しており、「宝格麗」と「BVLGARI」が高い独創性と顕著性があり、また長年の使用と宣伝を通して高い知名度も有している。更に、代理人は、商標の類似状況及び双方の商標が共存すると消費者に誤認させやすいことを詳しく陳述した。よって、上記3件の異議申立は、全て国家知識産権局に支持された。


先行権利者は、先行権利の指定商品又はサービスで後願の類似商標があることを発見した場合、積極的に権利行使したほうが良い。一方、このような案件において、代理人が全面的に商標類似状況を分析し、各視点から被異議商標又は係争商標が登録できない又は無効にすべき理由を十分に陳述することは望ましい。


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