非特許情報調査における考え方
時間: 2021-06-30 柳涛 劉磊 アクセス数:

非特許情報調査は特許分析業務を行う際の重要な準備作業の一つである。しかし、非特許情報の種類が多く、範囲も広いため、調査の難度が比較的に高いと思われる[1]。本文では、非特許情報調査を行う際の考え方を紹介する。


一、調査方向の設定——技術テーマの分割

非特許情報調査について、特定なデータベースがなく、情報の形や内容も統一されていないため、非特許情報を調査する際に、テーマ全体に関わる情報だけを調査すると、有用な情報を速やかに入手できない恐れがある。

 

そのため、技術テーマが複雑である場合、先ず、テーマを分割して、調査対象を細分化してから調査を行うことを考えられる。また、次の二つの考え方により分割することを考えられる。


1)技術問題、商業用途、或は競合他社などの面から分割してから、異なるルートでそれぞれ情報を調査する。

1625040173476.jpg

2)専門用語に関する解釈、法律法規及び事例を調査することで、調査しようとするテーマを少しずつ理解することができる。

图片2.jpg

非特許情報調査は、調査目的が明確であるが、調査過程が不明確であり、調査内容により調査過程に大きな差異がある。とはいえ、共通の調査ルートを発掘することができる。


上記二つの考え方により、速やかに調査方向を明確にし、初歩的な調査結果を取得することができる。また、これらのウェブサイトで検索又は閲覧する際に、既存の情報、業界の特徴、発展障害、発展傾向などの要素を結び付て、調査テーマを更に明確にし、そして、調査戦略を調整しながら調査を行う。


二、キーワードの選択とキーワードのリーチの拡大

調査において、適切なキーワードを選択することにより、速やかに有用な情報を入手することができる。キーワードの選択には、次の2点を考える必要がある。

 

1)キーワード出所の選択――判断基準により有効な情報出所を判別する

图片3.jpg

通常、キーワードの出所は様々なルートがあり、情報の品質も均一ではないため、品質の高い出所を選択できないと、ノイズが大幅に増加する恐れがある。そのため、品質の高いキーワード出所を判断する基準が重要になる。


具体的には、次の三つの判断基準によりキーワード出所を選択することができる。

 

権威性:情報出所が権威性が高ければ高いほど、それに含まれるキーワードの正確性が高い。例えば、電子分野の場合、中国国家情報産業部直属の電子情報産業発展研究院に属する賽迪網の権威性が高い[2]

 

独創性:あるウェブサイトの原著が転載された比率が高ければ高いほど、それがカバーする情報生産者が多い。このようなウェブサイトで検索すれば、有用な情報やキーワードが漏れることが少ない。また、権威的な情報出所に対する補足もできる。

 

適時性:データ更新の頻度がそのウェブサイトの内容の適時性を判断する定量的指標である。更新の頻度が高ければ高いほど、適時性高い。通常、このようなウェイブサイトを利用すれば、最も新しい技術や発展動向を入手することができる。


2)キーワードの確定——合理的な変換と限定

上記の情報出所から選択したキーワードでスクリーニングすると、有効情報がヒットする確率を高めることができる。但し、単一なキーワードだけで情報を幅広くカバーすることができないため、有用な情報が漏れることを回避するようキーワードを合理的に変換又は限定することが必要である。

1625040619066.jpg

①地域、業界などによりキーワードを変更する。

同一の物について、地域により言い方が異なる。例えば、中国台湾省では「摩托车」(オートバイ)を「机车」と言われる。日本語では「汽车」を「自動車」と言われる。そのため、インターネットで異なる地域の情報を調査する際に、現地の用語によりキーワードを変換する必要がある。


例えば、弊所で海外の葉巻の製造工程を調査した時、最初に「葉巻」の英訳である「cigar」をキーワードとして検索したが、葉巻の販売情報などのノイズが多く出てきた。その後、葉巻生産業界の専門用語を確認すると、葉巻生産業界では、通常「cigar」を言わなく、その原料の「dark tobacoo」が慣用語であることがわかった。したがって、キーワードを変更して改めて調査したところ、数多くの葉巻製造情報がヒットした。

 

②技術的効果又は機能、要素作用/産地用途によりキーワードを限定する。

キーワードのリーチを拡大する際に、業界の専門用語や具体的な製品情報を使用することに限らなく、技術的効果又は機能、要素作用/産地用途により限定することもできる。例えば、宅配ボックスの機械的構成に関する内容を調査しようとする時、ヒットする情報の精確度を高めるために、組み立て方法等に関わるキーワードを追加することにより限定することも考えられる。


三、初歩的な調査結果に基づく追跡調査

更に詳細で深めた情報を入手できるために、既存情報を結び付て、調査の方向を調整しながら、調査の範囲を更に広げることを考えられる。具体的には、調査結果に基づいて、追跡調査を行う。即ち、既に入手した情報により、調査結果を制限する可能な要因を発掘、分析及び推測し、そして、解決案を講じる。

 

例えば、電子業界のA地区における内視鏡メーカーの情報を調査する場合、次のステップで調査することを考えられる。


1625040815313.jpg

ニュース報道と調査報告によると、A地区の地域による産業構成は、北部地方が主に電子、中部地方が主に精密機械、南部地方が主に鉄鋼機械工業である。また、ニュース報道、A地区の工商情報及び企業HPの掲載情報により、A地区の内視鏡メーカーが主に北部地方にあることがわかった。なお、中部地方と南部地方に本当に内視鏡メーカーがないか?念のため、補足調査を行った。

 

上記で入手した情報によると、A地区の南部地方の企業は主に東南アジア市場に進出したので、HPの情報が海外向けの英語になっている可能性がある。そこで、キーワードを英語の「Endoscopes」に変更し、また「A地区」をキーワードに追加して地域を限定した上、再検索した。その結果、1社の南部地方にある内視鏡メーカーが出てきた。


総じて言えば、非特許情報調査に関する考え方は、次の3点がある。

 

①最初の段階では、技術問題、商業用途又は競合他社の三つの面から調査を行う。また、関連の技術用語、法律法規を調査することにより、調査しようとする技術テーマを少しずつ理解する。

 

②調査過程で、権威性、独創性、適時性などの指標により情報出所を選択する。そして、ノイズを減らすために、地域、業界などによりキーワードを変換、又は技術的効果や機能、要素作用/産地用途によりキーワードを限定する。

 

③最後の段階では、上記で取得した初歩的な調査結果に基づいて、追跡調査を行う。即ち、調査結果に漏れがないように、検索要素と検索式を調整して補足調査を行う。

 

参考文献

[1] 田涛 非特許文献調査の初めての探究 「技術と市場」2015年

[2] 王卓飞 インターネットにおける競争情報源の評価体系に関する研究 「競争情報」2008年


主要スタッフ
もっと見る
返回顶部图标